ネギま8巻の感想・考察 | 抹茶コーラ飲むですか?

ネギま8巻の感想・考察

いや、毎日この分量の記事を書くのってきついですね(TωT)

(↑じゃあもっと手短に書けよw)


でも始めてしまった以上、後には引けないのでありますw。今日もがんばります。



さてさて、今日は8巻の感想・考察です☆

行きますえ^^


あ、今日の記事は今(23巻現在)との比較要素がいつもより多分に含まれていますので、まだ23巻までお読みになっていない方は注意してください!


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8巻ウラ


裏表紙は那波千鶴さんですね^^

絶対に怒らせてはいけない人ですw。「ちづ姉って、ぶっちゃけハタチでも通じそうだよな」なんて口を滑られたら間違いなく大変なことになると思いますよ(^▽^;)


前巻のリゾート編でも多少出番がありましたが、メインとして取り扱われたのはこの8巻が初めてでしょう。

今までの巻では、スポットライトが当たるキャラは現ネギパーティの面々やエヴァ、いいんちょ、まき絵といったごく少数に限られていましたが、8、9巻では今まであまり目立っていなかったクラスメイト達にも活躍の場が与えられています。例えば、このちづ姉や夏美、ハカセ、五月、さよ、チャオなど。


少し話が逸れますが、運動部4人組のうち9巻までで単独のクラスメイト編をもらっているのはまき絵ぐらいで、他の3人は意外と活躍しだした時期が遅いんですよね。亜子は14巻のライブ編から急速に出番を増やしてきたキャラですし、裕奈も対チャオ戦から急激に存在感を増してきたキャラです。アキラは18巻になるまで単独話をもらっていませんでした。


このように人気の運動部4人組でさえも活躍の時期は遅いのですから、8、9巻という比較的早い段階で光が当てられたクラスメイト達は十分胸を張れるのではないでしょうか。運動部4人組とは違い、安定した出番がただその前後でもらえていないだけなんですよ。



・全体の流れと概観


A、エヴァンジェリンの別荘での修行が始まる。

B、小太郎が京都からやってくるが、敵に襲われ、記憶が飛んでいる状態。

C、小太郎、千鶴らにかくまわれる。

D、ネギが6年前の過去を打ち明ける。皆がこれを聞き、俄然やる気に。

E、あやかと小太郎の出会いは最悪な形に。

F、ヘルマンがやってくる。風呂場で朝倉らが拉致される。刹那もさらわれる。

G、小太郎、ヘルマンに苦戦。千鶴が拉致される。

H、ネギと小太郎、ヘルマンを倒しに向かう。戦闘開始。

I、ネギと小太郎、苦戦。ヘルマンが悪魔の姿をさらしネギを挑発。

J、暴走したネギを小太郎が落ち着かせる。朝倉らが水牢から脱出し、反撃開始。

K、ネギ、エヴァから教わった連携技でヘルマンを撃退。

L、ネギ、魔法剣士になることを決意。



7、8巻は修学旅行と学園祭の間に挟まれており、敢えて名前を付けるなら、ネギの修行・ジョブ選択編と言えるであろうか。

7巻がラブコメ的ノリの話の多い巻であったのに対し、この8巻の方はネギの過去が明らかになったり、ヘルマンとの決死のバトルが展開されるなど、比較的シリアスな内容。物語としては7巻より大きな動きがあったと言える。


8巻全体の構成はよくまとまっている。Aの修行部分で教わった連携技(サギタ・マギカ→雷の斧)が最後のKの部分で発揮されていたこと。AやDで一人で苦労を抱えようとするネギが描写されるが、小太郎が麻帆良学園にやって来ることによって良き友を得て救われるという筋道が敷かれていること。そしてネギの過去の話とヘルマンとの対決がうまくリンクしていることなど。

前半にいくつか問題提起があり、終盤にはそれらがきれいに解決されていくという流れのように感じた。この巻だけ読んでも十分楽しめそうな構成力の高だ。



・具体的な感想・考察


ア)千鶴と夏美の活躍は・・・

今巻で大々的に取り上げられたのが千鶴と夏美だ。新参者の2人にいきなり魔法がバレてしまうのではないかと、旧来のファンは冷や冷やさせられたはずだ。


注目すべきところは、意外とモテモテの小太郎と夏美についてだ。

この巻を含め中期ぐらいまでは小太郎と千鶴の関係が主に取り立たされていたが、最近(夏休み編ぐらいからか)ではめっきり夏美が小太郎に想いを寄せる形になっている。

サブキャラ的ポジションのおいしいキャラで定着するかと思われた夏美が、なぜこういう単なる恋するキャラクターに変貌してしまったのだろうか。小太郎に対して急に想いを強め始めた理由がよく分からない。人気取りのためだとしたら、それはいささか浅はかな策略のように感じる。無理に魔法の国編にまで参加させる必要はなかったのではないか(参加できなかった他のクラスメイト達に示しがつかない気がする)。

私個人の意見としては、夏美は7巻ぐらいのチョイ役に回帰するべきだと思う。不自然なまでの過大な描写は逆にそのキャラへの嫌悪感を生み出してしまう。脇役としてちょこまか動き回っているからこそ味が出て、キャラが立ってくるということも往々としてあるのだ。


イ)6年前の雪の日

ネギが今こうして努力し続けている理由の原点といっても過言ではない、すべてが始まった日だ。ナギはどうして行方不明になっていたのだろうか。なぜこのときだけネギの前に姿を現したのだろうか。なぜ「もう時間がない」と言って幼いネギの前から足早に去っていったのだろうか。6年前のナギに関する様々な謎は尽きない。


それから、村人たちを襲った魔法は石化魔法であった。フェイトとの関係はあるのであろうか。23巻現在までで明らかになったこともすべて考慮すると、村を悪魔(ヘルマン含む)たちに襲わせた何者かと、フェイトと、「完全なる世界」の三者にはやはり何か関係があるということになるだろうか。すべての出来事の背景に大きな黒幕が隠れているような気がする。その黒幕がナギの行方不明にも関係しているのではないか。


ウ)ネギと小太郎のナイスコンビ

ネギにとって小太郎の存在は大きな意味を持っているだろう。刹那の言う通りネギの周りには年上のお姉さんばかりしかおらず、腹を割って遠慮せずに話せる相手が(カモを除けば)ある意味居なかったのだ。

しかしこの巻で、以前は敵として対峙していた間柄ではあるものの、戦いを通してお互いを認め合った小太郎を友人として得ることによって、ネギは精神的にもかなり救われたはずだ。


戦いにおける二人の連携も見事なもので、上位悪魔のヘルマンを退けたほどだ。

今では修行を通してお互いを高め合う関係にもなった。もはやネギと小太郎はお互いにとって欠かすことのできない親友どうしと言えるだろう。


エ)「高位の魔物を完全に打ち滅ぼし消滅させる超高等呪文」とは

ヘルマンがネギにやられた後に、なぜ使わなかったのかと問いかけているのだが、この超高等呪文とはいったい如何なるものなのであろうか。

技名や具体的な詠唱、技の様子など、その全容は現在でも全く明らかになっていない。

仮にフェイトが魔物的な存在であるとするならば、この超高等呪文で打ち倒せるのではないか・・・と都合のいいことを考えてみたくなった。いずれにせよ、いつかは回収される伏線だと思いたい。


オ)この巻のクラスメイト達

バトル主体の巻ということもあって、活躍するキャラは限られていましたね。


この巻は特にエヴァンジェリンが良いキャラしてるなと思いました。別荘にアスナたちがやって来てドタバタに巻き込まれてしまったり、ネギの戦いを観戦し終わったところで茶々丸に的を射たセリフを言われ思わず冷静にツッコミ返してしまうところなど、かなりいい感じでした。

エヴァンジェリンは出番の多さにムラがありますが、師匠という変わったポジションにあるからこそ他のキャラにはない様々な描写が可能になっていますよね。


どんどん丸くなっていくアスナにも注目ですね。1巻の頃に比べると、だいぶネギに対する態度とか、日頃の発言とかが落ち着いて来ていますね。この頃まで来ると、全然頭悪そうな感じはしません。オサルさんな感じもしませんw。

彼女も成長して来ているということなのでしょう。

ちなみに私は初期の乱暴なアスナより、中期以降のこういう普通なアスナのほうが好きです。まぁ、でもやっぱりネギとのラブコメには違和感が少しありますがw。恋人関係というよりはやっぱり兄弟関係なんですよね、この2人って。


それから初期ネギパーティの面々も活躍しましたね。

エヴァの別荘でのドタバタが大変面白かったです。「火よ灯れ」を練習しているときに古菲がズルをしてライターで火を付けるのですが、その時の彼女の顔が・・・大爆笑でした。

後半では、ヘルマンに拉致されてネギに迷惑を掛けてしまうことになってしまいましたが、木乃香の好判断で戦いを一気に好転させることに成功しました。

あの時、火種を付けたのは一体誰だったのでしょうか。私は木乃香でも夕映でもないと思います。みんなの気持ちがあの火種を生み出したのだと思います(みんなの力が一点に集約された結果だということ)。


カ)カモは役立たず?

いやいや、そんなことはない。ネギの戦いを冷静にサポートする重要なキャラだと私は思いますよ。使えそうな戦略を咄嗟に思いつくことができるのはカモだけだと思います。

もし学園祭でカモがいなかったら、ネギ救出作戦の実行や、対チャオ編での作戦勝ちはあり得たでしょうか。答えは明らかですよね。


キ)総合評価

C AGの7段階評価)

作画良し。構成力も高い。ただし、バトルばかりだったので多少減点した。