METオペラ シネマビューイングが、
今日から復活しました!!


もう、どのくらい
楽しみに待っていたことか!
こんなにもMETを観られることが
幸せなことだったなんて。。


復活第一弾は、
ガーシュイン作曲の
「ポーギーとベス」
3時間45分の大作です。


始まってすぐ、
いきなりの「サマータイム」


この独唱ですっかり心を掴まれ、
南部の黒人たちのコミュニティと、
そこに生きる人々の
愛と死の世界に一瞬にして
引き込まれていくのです。


キャスティングされた人たちは、
警官や役人役を除いて、
全員がアフリカ系アメリカ人。

主役は
ポーギーとベスなんだけど、
登場人物それぞれに
見せ場が用意されて
素晴らしい歌唱を
聞かせてくれます。

METの黒人オペラ歌手の
層の厚さはすごい!


残念ながら
主役のポーギー役
E・オーエンスが風邪のため、
今ひとつ、いつもの
深く伸びやかで張りのある
バスバリトンが響かなかったけど、


ベス役の大柄美女ソプラノ 
エンジェル・ブルー
(すごい名前だぁ!)は、

哀愁に満ちた深いひだのある
ベルベットボイスで
「サマータイム」を歌いきり
存在感を見せつけました!

初見だけど、
真っ白な歯が覗く
ちょっとファニーな顔もいいわ。


まあ、ガーシュインの音楽も、
演出も、
これがオペラ?
ミュージカル風だわ、
と思いつつ、、
歌のチカラ、
音楽のチカラに酔いしれました。


METでこの収録が行われたのが、
2月1日。

これ以降コロナが深刻化して、
黒人を白人警察官が
殺害する事件が起きて、
各地にデモが広がって。。


アメリカの現状と考え合わせると、
作品としての
素晴らしさはさておき、

口の中に苦味が残り、
とても複雑な感情が溢れてきます。


舞台の上は黒人、
対して、
熱狂的な喝采をおくる
METの観客席は、
ほぼ90%が白人。。


久しぶりの
ライブビューイングの興奮と共に、
やり切れない苦さも残る夜です。

#オペラ #MET #シネマビューイング #ポーギーとベス