ウィーン国立歌劇場は創設150周年を迎える今年、補修とお色直しが大規模に行われてお目見え。
一方、ウィーン・ミュージアムは大々的な建て直しに入り、2023年の再オープンまで閉館。
そして今、日本にはウィーンの至宝、クリムトが上野にも六本木にも結集中!
というわけで、六本木の国立新美術館の日本・オーストリア外交樹立150周年記念「ウィーン・モダン」展へ。
こちらは「クリムト、シーレ 世紀末への道」と副題がついているように、2人の画家の傑作はもちろんのこと、
彼らと同時代に活躍した建築家オットー・ヴァグナーはじめ華やかでモダンなデザイナーたちの作品も集められ、
19世紀末から20世紀初頭に花開いたウィーンの文化の香り高さを感じさせてくれます。
奇妙なことに、グスタフ・クリムト、エゴン・シーレ、オットー・ヴァグナーの3人は、生まれた年は随分離れているのに、同じ1918年に亡くなっていて、
世紀末というひとつの時代の終焉、文化の熱い渦が渦巻く場所の変わり目が、はっきりとわかるのも興味深いのです。
次の渦は、巴里の20年代へと移っていって、あー、それこそ、私が愛する魅惑の巴里、アール・デコが花開くパリ、狂乱のパリ、
シャネル、ストラビンスキー、ディアギレフ、バレエ リュス、シャガール、モディリアニ、ジャン・コクトー、藤田嗣治、、
あー、いけない、脱線、
つい、巴里の20年代は、熱く語ってしまう、、
こちらの展覧会では、クリムトの作品はそう数は多くないけれど、
もっとも重要な「エミーリエ・フレーゲ」が直に観られ、なおかつ写真も、この一枚のみOK、というのが一番嬉しいところ。
エミーリエという女性は、クリムトの弟の妻の妹、という関係で、彼女がまだ若い頃から絵のモデルになったりしていて、
彼が生涯で最も愛した女性、と言われている人。
お互いに結婚しなかったので、長い間、2人はプラトニックラブと考えられていたけど、
ある研究から、もっと深い恋愛関係にあったことがわかったらしい。
ブルーの素敵なドレスに身を包んでいることからわかるように、エミーリエはファッションの仕事で自立して生きていた、あの時代においては非常に珍しい強い女性。
この肖像画をクリムトが描いて彼女に贈ったけど、
彼女的には全く気に入らなかったらしい!!
それは何故か、というのはまだ研究で分からないようだけど、
彼女が気に入らなかった絵が、世紀の傑作として永遠に残されて息づいていく、、運命の不思議。。
こちらの展覧会のイヤホンガイドは、城田優くんが担当していて、彼の声もまた、なかなか素敵な感動を与えてくれます。
今、イヤホンガイドも俳優の表現の一つとして、とても大事なものになってきているのよね。。
とにかく2023年までクローズされてしまうウィーン・ミュージアム。その所蔵作品が見られるこの機会は、とってもとっても貴重です!
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