英国ロイヤルバレエの意欲作「フランケンシュタイン」
ロイヤルの日本人プリンシパル、平野亮一さんが異形のクリーチャーを踊り、大評判となっているので、やっぱり観とかなきゃね!と。
といっても、彼はセカンドキャストで、ファーストキャストはロサンゼルスバレエから客演のウェイ・ワンなんだけどね。
新聞評では、ゴシックバレエと書かれ、ビジュアルもスカルや脳や血や、とかなり苦手な方向性だったので、こわごわ、近過ぎないお席を予約。ところがこれは杞憂に終わり、実に面白い素晴らしいバレエなのでした!
フランケンシュタインの文学作品をベースにバレエ化された舞台は、粗筋を知らなくても十分に楽しめ理解できる工夫がいっぱい。
第一幕では、マナーハウスでの幸せな生活と初恋を、子役のVictorとElizabethが演じて見事!
大人のElizabethは、英国ロイヤルが誇る演技派プリマ、サラ・ラム。
簡単に見えるけど実は超絶技巧のリフトなどを軽々と決めて、喝采をさらいます。
また、Victorフランケンシュタインが禁断の実験でクリーチャーを創り出してしまうのですが、その場面など、まるでマジックショーのようにスペクタクル。隣の席の女の子なんか、大喜びで拍手してました!
さて、いよいよ平野亮一さんのクリーチャーが残酷なキバを剥き、次々と不幸が襲い始めるのが第2幕から。
平野さんは、一糸纏わぬように見えるヌードタイツで、顔も頭も、くるんとヌード色に覆い、そこに縫い傷の跡や血管が浮き出し、まるで暗黒舞踏の踊り手のよう。
日本人にしては大柄で脚も長く、締まって付いた筋肉の動きやジャンプの高さが実に美しく感動的。
ただし、日本人ダンサー特有の、前腿が前に張り出している体型に加え、正統派ダンスではなく、やはり暗黒舞踏を思わせる振付で、
海外で評価される基準については、ちょっと考えさせられる役柄でした。
王子さま役や、ロマンティックバレエの主役ど真ん中役では、なかなか評価されにくいからねー、、
それにしても、シリアルキラーとなったクリーチャーの愛は報われず、裏切られ、
Elizabethも弟もお父様も親友も、次々と死んでいく。あー、切ない。。
カーテンコールでは、圧倒的に平野亮一さんに拍手が!
この演目、日本ではなかなかチケットが売りにくいと思うので、平野さんのダイナミックなバレエを観たい人は、是非ロンドンまで!おススメです!
#英国ロイヤルバレエ
#平野亮一 #プリンシパル
#フランケンシュタイン