YouTubeで面白いチャンネル『Nontitle』は、現在Season3を終えました.撮影期間は明記されていませんが、11月前後から始まり、4/6に本番ピッチがありました.
最終プレゼンですが、正直がっかりとしか言いようがありません.おそらく、この番組の枠組みでないピッチであればどちらも投資されていないと思います.
TEAM REDの助成金申請補助事業ですが、大部分を話しているのが社長ではないモーリーでした.プレゼンの主体と企業自体や事業の方向性はりょーまが話すべきでした.
配当の部分で、松田さん(ヤマワケエステート)『1.スケールできるか?検索エンジンで十分なのにAI搭載の意味.2.配当25%は原資はどこか?合法?』という点がクリアできてるか微妙だなとたしかに感じました.
ただし、こちらは使ってみたいなと思い、まずはどのような助成金が適用できそうなのかを知りたいものです.
TEAM BLUEは論外です.カンペ見ながら挑むのは熱量と準備不足が否めません.スライドづくりとカンペづくり、その準備を役割分担していなかったのだろうことが読み取れます(おそらく和田ちゃんスライドづくり待ちが発生したのかなと).
また、ライトアップの機能と自動水やりの機能を一緒くたに説明してしまって、訴求力が薄かったと思います.どちらも需要がまったく別のもののため、誰に売りたいか、どの製品を売りたいか、が曖昧で、かつ製品も試作段階で具体に落とせていません.既存マーケットの拡大なのか、はたまた新規需要の開拓なのか、をもっと強く推したほうが良かったです.
ただし、後から以下の動画から上記のピッチに関しては少しわかりましたので、共有いたします.
それぞれのSeasonとも特色が異なっていますが、それぞれについて簡単に感想を書いてみました.
Season1:事業を生む過程がかなり参考になるSeason
------【TEAM RED:マルコメ社長】------
事象推移:ルームウェア →[PIVOT]→ 腸活製品
------【TEAM BLUE:藤巻社長】------
事象推移:フレグランス or ボディソープ →[PIVOT]→ 家電(ドライヤー)
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初回ということで、新たに公表されていくルールの中、みんな一生懸命に動いていたシーズンでした.3人対5人といういびつなチーム編成、仕事を辞めてきて参加している人の多さ、最後までどちらかに決着するかわからないプレゼンは最高でした.
事業に関して言うと、もともとの構想にあったルームウェアとボディソープの勝機がほとんどなかったところから、最終的には面白い事業が揃ったなという印象が強かったです.
視聴者目線で事業創設の過程をより学べる点でも良いと思っています.TEAM RED側が商品やサービスの着想から製品化までの一連のプロセスを踏んでいるので、実際に起業する際の参考になる点が多いです.
腸活事業は、正直売値が安くなればもっと戦えたなと思ってます.1個1000円はさすがに高すぎます.チームメンバー全員リッチだったのでしょうか.金銭感覚が違う人達が一般消費者の心をつかむのはかなり難しいとも言えます.
粉末状にしたり、栄養素を維持できつつ安く仕上げられればよかったのですが、おそらくその時間が捻出できなかったのかとは予想しています.
一方で、Season1から少し違和感が生まれつつあります.
それは、TEAM BLUEの家電事業についてです.
どちらのTEAMもPIVOTしているものの、BLUEの置き換わった事業は藤巻さんが長らく温めてきた家電事業でした.
現経営者が長らく考えていた事業は、そもそもNontitleだけで事業を考える何倍もの時間があっただろうことことから、かなり練られていて実現性は高いのかなと思います.経営したことがない人たちがこの短期間でこれに勝つ事業を生むにはかなり難しくなるはずです(オーディション時点で考えたものをやっても良いので、別にルール違反というわけではないです.ただ、最初から推し進められていたわけでなかったため.)
実はこの火種は、Season2/3にも波及していると思っています.
※ちなみに、現在のTEAM BLUEからは渡辺さんが卒業しています.ただ、藤巻さんが優秀すぎるため、事業は超絶好調のようです.
Season2:事業についての内容が少なすぎるSeason
------【TEAM RED:はるたむ社長】------
事象推移:匂いケア / ホワイトニング&オーラルケア →[PIVOT]→ 精力増強製品
------【TEAM BLUE:車谷セナ社長】------
事象推移:よもぎドリンク →[PIVOT]→ シャントリボディ※
※シャンプー・トリートメント・ボディソープ・フェイスウォッシュの機能を全て盛り込んだもの
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TEAM REDの匂いとオーラルケアは正直、全シーズンを見てもかなり良い着眼点だなと今でも思っています.
番組内では、その観点と事業の詳細化、観点が少し不足していました.それが補える人材がいたら面白くなってたかもしれないです.
Season1でいう懸念はここでも起きていて、それはTEAM BLUEのPIVOTです.シャントリボディという世界初?に近いプロダクトは、現役の経営者である車谷さんの長らく温めてきた事業アイデアでした.
美容系YouTuber兼美容化粧品販売事業を手掛けている彼が長らく考えていたとなると、普通の人たちが集まっても勝つのは一筋縄ではいかないです.
ここから考えると、やはりSeason2はぬりぼーがすごすぎました.ピッチですべてを巻き上げたのはさすがとしか言いようがありません.みんなを引き寄せる、ピッチではそれが何よりも大切なのかもしれません.
ただし、どちらも採択されたのは微妙です.シャントリボディは今までにない新しい製品、精力増強製品はピッチのすごさ、としたのが採択理由と予想していますが、それであればSeason1の腸活も延長でやれば製品化も夢でなかったように思います.
また、このSeasonから最終プレゼン日近くでの発売開始ができていません.製品が未完成の状態でプレゼンを行ってしまっていることです.Nontitleは初動がかなり大切かと思い、この初動に乗れていないのはイマイチかもしれません.
※ちなみに、現在のTEAM REDからはあいさんが卒業しています.ブレーンがいなくなって、企業として成り立つのでしょうか・・TEAM REDはチャンネル運営自体も落ち込み始めています.
対して、ろーくん(株式会社ampoo代表取締役)は面白いチャンネルになっています.
Season3:PIVOTしすぎSeason
------【TEAM RED:りょーま社長(実質モーリー)】------
事象推移:寿司スクール / 完全栄養おにぎり →[PIVOT]→ 助成金申請補助事業
------【TEAM BLUE:こめお社長】------
事象推移:盆栽NFT / ドライ盆栽 →[PIVOT]→ スマート盆栽
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Season3はとにかくPIVOTしまくりでした.番組ではTEAM REDが目立っていましたが、それは抜本的な内容変更だったからです.TEAM BLUEも同じだったように見えていました.”盆栽”という製品軸は変わらないものの、NFTからドライ盆栽、さらには家電・家具の製作という領域の違いすぎるものを移りわたっていて、
正直、盆栽を舐めてるな、
としか思ってなかったです.作中での発言もそうですが、どうも盆栽自体への愛がない言動が目立っていました.
ただし、こちらはTEAM REDと異なり、ハマれば海外での需要を見込めたものです.個人的には値段が高すぎること(その利益率が高すぎること)と、製品がダサいこと、性能と信頼性がまったくないこと、が投資判断に至らなかった点だとは思います.
対してTEAM REDは、おそらく無駄な事を言ったことでそれが波紋を呼んでいたと思っています.5年後10億円の到達する実現性、配当を出す、というのは大きく言い過ぎたかもしれないです.国や自治体から助成金が出る点、個人や企業でも自分で作れはする点、などクリアしないといけない点は色々あります.直近はすぐ使ってみたいとは思いますが、日本の風土と政治にハマるかは謎です.
あと、結局はモーリーの事業拡大もしくは小会社設立の立ち位置からは抜けられないなと思います.
全Season見返すと、結局は現役経営者が温めていた・取り掛かっている事業を形にした、ということで収まっているケース(Mr.stick以外)がほとんどです.
Season4は、経営の経験者を除外するメンバーのみで初期メンバーを構成する、自分たちの体験からサービスやプロダクトを作り上げる、飲食未経験者のみで構成した飲食業の立ち上げ、など制約を設けてもらいたいなと感じました.