# アメリカオニアザミ
ヨーロッパ原産のアザミ。日本へは輸入牧草に混入して北海道へ侵入したとされ、その後全国へ拡大。
北海道では知床半島で毎年大規模な駆除活動が行われるほか、近年は札幌や函館など都市部でも急速に分布を広げている。牧草地へ侵入すると家畜が牧草を食べなくなり、酪農への影響も大きい。
最大の特徴は、全草にある鋭い針状のトゲ。葉だけでなく、太い茎や花の付け根にも硬いトゲを持つ。日本のノアザミとは比較にならない危険性。
冬から春はタンポポのようなロゼット状。気温の上昇とともに一気に茎を伸ばし、大型化。旺盛に枝分かれし、多数のつぼみを形成。
一般には二年草とされるが、根株から再生を繰り返す個体も多い。刈り取りだけでは再生することがあり、夏場には短期間で元の大きさまで回復する例もある。確実な駆除には根まで処理することが重要。
開花期は春から秋までと長い。一株の中につぼみ、花、綿毛が同時に見られることも珍しくない。本州では近年4月下旬頃から開花する例もあり、梅雨の頃には綿毛となる株も見られる。
綿毛は風に乗って広範囲へ拡散。通常でも数百メートル、条件次第では数キロ先まで運ばれることもある。SNSで「ケサランパサラン」として話題になることもあるが、実際には危険な外来植物を拡散させる原因となる。
一株で数十の花を咲かせ、数百以上の綿毛を生産。寒冷地から暑い地域まで適応力が高く、わずかな土壌でも生育できる。道路脇、駐車場、空き地、住宅地、アスファルトやコンクリートの隙間など、都市部でも普通に見られる。
群生すると人の背丈を超えるほど大型化することもある。道路沿いや空き地を覆い、鋭いトゲによって立ち入りが困難になる。歩行者や子ども、ペットへの危険性も高い。山林や登山道へ侵入すると、在来植物や景観への影響も懸念される。
見分けるポイントは、直線的で硬い枝ぶり、多数に枝分かれする茎、鋭いトゲを持つつぼみ、そして全体的に重厚でいかつい草姿。住宅地で急に大型の鮮やかなピンク色のアザミが目立つようになった場合は、アメリカオニアザミの可能性が高い。
生態系被害防止外来種。鋭いトゲと高い繁殖力を持つ危険植物。見つけたら花が咲く前の駆除が重要。