人間以外の生き物を可愛いって思う人間ってすげーなって思う。

猿はイノシシを猿じゃない生き物って分かってるのかな。

二年くらい前にうちの玄関の前にハトが枯れ草を引っ張って持ってきて、ずっと立ち止まってたことがあった。

20分くらいかな。

ドアの前にじーっと突っ立って、こっちを睨んでた。

俺がドア開けてやったら喋りだしそうなくらいに。

俺はもやもやしてる。

あの時あいつが何をしようとしてたのか。




人間以外の生き物すげぇ。

人間はすごすぎて生き物としては見られないけれど。

3メートルの金魚を見た。

誰も信じてはくれないけど、幼いあの日に見た光景を、俺は思い違いにしないように、架空の光景にしないように、思い出しては焼き付けていく。






3才くらいの時かな。

生物図鑑を見るのが好きだった。

恐竜の図鑑も好きだったし草花の図鑑も好きだったけど、生きて動いてこの世界にこんなやつらがいるんだって物思いにふけるのが好きだった。




その頃、センチメートルとメートルの単位だけを知っていて、だいたいの大きさは想像できたんだ。

セイウチ5メートル、すげぇでけぇ、この部屋の端から端まで5メートルくらいだもんな、とか。


ある日「㎜」の単位に出会った。

エビだった。

エビの名前と大きさが書いてあった。

「12㎜~20㎜」

センチメートルとメートルしか知らない俺は、テキトーにそれを「メートル」と読んだ(似てたから)。

そして俺は父に問いかけた。

「おとうさん、じゅうにめーとるからにじゅうめーとるってどんくらいのおおきさ?」

ちょうど車で橋を渡っていた父は答える。

「そやなぁ、ちょうどこの川の幅くらいやな。」






でけぇ!!


エビでけぇ!!!



俺は「こんなデカイ(川幅くらいある)エビがこの世界にはいるんだ!!」とめちゃくちゃ感動した。



だから俺はデカイ生き物が特に好きなんだと思う。



ゾウの爪。

ピラルクの鱗。

ウシガエルのおなかの黄色い部分。

トノサマバッタのキック力。

キリンの足音。

タイワンドジョウの呼吸音。

オニイトマキエイの口の中。

ヘラクレスオオカブトの大顎の毛。


マッコウクジラの雄性生殖器。






なんてうっとりするんだろう。


かっこいい。


部屋の白コメットが大きくなってきた。

白銀の鱗、流れる尾鰭、流線型でありながら腹部に丸みを帯びたからだ。

ほんとに良い魚と出会えた。

人間以外ではこの白コメットとオランダシシガシラが一番素敵。

俺が朝ベッドから起きると騒がしくえさをねだる。

可愛い。






ミニチュアピンシャー飼いたい。


パグも飼いたい。


ドーベルマン飼ってジャックと名付けたい。




ちなみに恋人は人間で一番素敵。