年の瀬感。 | 板倉佳司の日々雑感

年の瀬感。


12月20日(水)
畑澤聖悟作王子小劇場プロデュース「俺の屍を越えていけ」」観劇した。
今年6月公演で初めて一緒した原田君の出演と言う事と、
このエモイワレヌそこはかとないハードボイルド感溢れる題名に期待して初日に・・。
原田君は今静かに注目されているreset-Nという劇団の俳優でまだ30歳そこそこの若い世代なのだが、これがどうしてどうして70年代の映画(これはさすがに知らんだろ・・ってう映画もしっかり観ていて嬉しくなる)や音楽・・そしてノワール小説のファンであり又ジェイムス・エルロイの大ファンでもある。
思わぬ方向から現れた趣を同じくする人物との出会いに御互い多いに気を良くし6月の芝居稽古中もことある事に酒を飲みながら大好きな映画や小説の話をともに愉しんだ。
で、この芝居・・その原田君が関わり又題名からノワール感漂うアートシアターギルド系の渋い渋い内容かと勝手に決めつけて大いなる(でもないか・・?)期待を胸に京浜東北線王子駅から徒歩3分ばかりに位置する劇場に足を運んだ。

私としては今回初めて訪れた王子小劇場はとても魅力的な小劇場でそこそこアンダーグラウンド感もあり又清潔でありちょっとポップな使い方も出来そうでもあり、この手の劇場としてはかなり高レベルと思われる劇場であった。
三方から舞台を囲む形に設えた特設舞台の上で繰り広げられた世界はハードボイルドともノワールともかけ離れた、東北の地方都市の赤字ローカルラジオ局の6人の若いスタッフ達のリストラに絡む苦悩を描いたものだった。
来年に計画している私の企画公演の為に、現在若くて力量のある役者を物色中であることもありその辺りでも非常に興味を持って拝見させていただいた。
結果から言うと・・色々な意味で期待は裏切られはしなかった・・。
冒頭は、又最近の若い人達得意のキムタク芝居(私は決してキムタクが嫌いなわけではないが・・リアルに演じることと舞台でのリアルさとは違うんで有るぞという事を知らない俳優予備軍の連中がキムタクの存在感と同じものを観客に提供できると思いこんでいるのは単なる高慢と怠慢に他ならんのよ。腹筋鍛えろ、腹筋!)が延々と続くかとも思いちょっと気が重くもなりかけたが、いやいや皆さんしっかりと本を読み込んでらっしゃるし、しっかりとその劇の時間を役者同士で共有していました。そして何より皆さん非常に素直に芝居に取り組んでいる姿に好漢が持て、とても誠実な芝居を観た・・という感想を持ちました。
で、その・・登場しない第七の人物設定が・・変則的なハードボイルドだったかも・・。

先月新宿で観たマルサンの会・・これは東京壱組時代からの後輩であり又去年から今年にかけて何かと縁が続く小野康子が出演しているとのことで観劇した訳だが、
こちらなどはやはりあまり不相応に空間を広げてしまうとよほどの構成力と演技力が伴わない限り虚構の世界を観客に説得力を持って納得させる事は困難になるのだ・・
という事を痛感させられてしまったわけで(小野ちゃんの・・『太陽にほえろ』の“テキサス”をもじった“メキシコ”役とツッパリレディース達は大爆笑でしたが)、
今回の公演は限られたスペースで限られた人員での会話劇でもあり役者の集中力でぐいぐいと進行していく形でもあった為比較的安心して観劇できた。
そのマルサンの会・・芝居はともかく、久々に観る小野ちゃんの芝居となんとも懐かしい自由劇場の一年後輩・阿部祥子の芝居も久しぶりに観られたし、
又当日来ていた了さんとも観劇後酒を酌み交わし語れたし
・・イタサンの顔を見て元気でた。迷いがちょっと吹っ切れた。イタクラ方式(注:演劇用語辞典には載っておりません)を思い出した。楽日まで頑張れそうだ。ありがとうイタサン・・との小野ちゃんのことばに私自身も元気を戴き、そうかそうかよしよし俺もこれであと数ヶ月程はこの言葉のお陰で元気に過ごせるぞと・・。小野よお前は本当に可愛いのう・・と。

惜しむらくは先週末の響屋スタジオの野田さんのライブに行かれなかった事。
父の畑の撤収作業の段取り打ち合わせでどうしても時間を取れなかった次第。
安良岡さん 綾子さん・・・又誘ってくださいませ。谷やんにも会いたかったのだが、残念。
野田さん・・今回もごめんなさい!次回こそ!

今月4日に新宿ミラノ座で観た新作『007/カジノロワイヤル』はこれはもう最高に面白かった。
今度の俳優は恐らく原作のジェームス・ボンドに一番近いのではないだろうか。
原作にある“どこか残忍な雰囲気を漂わす・・・”この辺りがショーン・コネリー以後のボンド俳優には欠けていた。とくにピアーズ・ブロスナンなんていうのは顔もきれいだし、又芝居もきれいに作り過ぎて全く面白みがなかった。
新生ボンドの、生身の人間である事を前面に押し出しそりゃあもう満身創痍で仕事を遂行する姿、傷だらけのジェームス・ボンドが大変素敵でした。そうそうそれと、あんなフェリックス・レイターもありなんだな・・と。彼が名乗りをあげたシーンでは一人で手を叩いて爆笑してしまった。
又自分としては、演じる役者云々の問題以前に“M”が女性である・・という設定は未だになじめないが・・。ジュディ・デンチは凄い女優だと思いますが・・・。
ともあれ、文字通り俳優のアクションとスタントとカット割の技術の妙。ふんだんに金をかけた超一流のアクション映画を久々に・・。骨太な・・これぞ映画の醍醐味。
皆さんCG作品を絶賛するのはそろそろやめませんか?映画はこれですよ。
年末中なんとしても是非映画館で観たいのは他でもない『硫黄島からの手紙』。大いなる期待を。

ようやく、期待しておりました『山猫は眠らない3』を観た。スナイパートム・ベケットが又ちょっと太ったみたいだが・・
あ~カッコいいなあ~トム・ベレンジャー。存在自体が固ゆでなんだよなこの人は、ほんと。
でももう太るのはその辺にしておこうぜ、トム。
このブログとリンクしているvbayareaさんが彼の大ファンで探偵スペンサー役に是非トムで・・と推しておられたのを記憶しておりますが、確かにそれも妙案ですし実に楽しい想像ですが私としてはトム・ベレンジャーに是非ジェイムス・クラムリーの探偵ミロドラゴラヴィッチか我がハリー・ボッシュを演じてみてもらいたいところです。

現在、アントニー・バークリー作品読書中。堪らなく面白い。
で、この内容をヒントに自作の構想が浮かんできた。是非戴きたい。パクりではなく、インスパイアよ。よ~し書くぞ。

ちょっくら気バラシに読んだ松沢呉一という方の『ぐろぐろ』これがもう大爆笑もの。決して電車の中で読んではいけない。間違いなく突然噴出します。
シモネタとシモニタネギにアレルギー反応出ない人にお奨め。
その題名のとおり、エロくてグロイ話が満載なのだがその、人を食った論法と超ストレートな非常に潔い表現はむしろ高貴なほどの反骨精神に溢れており脱帽です。不肖私めと同世代の方。是非いつかこういう人と一緒に仕事したいものです。

今年の仕事は一応一段落し終了した模様。あとは、今年一杯で地主に返却する約束の父の畑の撤収作業最終段階へ。
そしてここへ来て又親戚の訃報が入った。今晩通夜で明日告別式。
先月の義父の13回忌を最後にもう喪服はクローゼットの奥に仕舞いこんでいたのだが・・。
父の幅広い交友関係を継承し高齢化の進む親類やご近所等々・・これからも“祭”につけ“法”につけ、事ある毎に出席しなければいけないのです。

訃報といえば・・本日青島幸男氏と岸田今日子さんの訃報をテレビで。ともに、70代半ば。うちの父と同世代の方々。先月は中谷昇氏そしてあの藤岡琢也氏。この両氏は父と同じ76歳。
同じ歳でも我等がクリント・イーストウッドは元老にて矍鑠として日本映画を撮っているし。
人の道は千差万別・・人それぞれ。早く進んでもゆっくり進んでも同じ人生・・ですか。

そいえば・・映画『ジ・アース』はその後の上映プロデュース等々順調に行っているんだろうか?中村監督、何?又賞なんか取っちゃう訳?早く観たいな・・。
今週末は6月の芝居一緒し、ここへも書きこみ戴いている野水佐記子さんの出演している芝居を東京芸術劇場へ観劇予定。

で、今日は息子はライブハウスデビュー。国分寺モルガーナでライブ出演ですと。でも、パパは絶対見に来るな・・ですと。パパは乗ると声出したりするからうるさいんですと。気が散るんですと。で、やっぱり照れくさいんですと・・。どうせ、俺は通夜だから行かれねーやい。ざまみろ。こんちくしょう。

南氏から、今年中に一発、呑みをやっときましょうや・・との誘いもあり。自他そして皆様共に肝臓自愛必要な年の瀬でございます。
来年は頑張るぞ・・・・って、まだ今年更新するかも・・・しれま・・・せん・・・・・・・が・・・。
では!良い年の瀬を!