今回の出品物から、第29回オークションワールドを考察してみたい。

まず、日本の円銀は高値水準が当たり前になったので、ここで下がることはないだろう。

何より、明治7年などの特年円銀が全くない。
これらはコレクターが手放しにくい状況が続いてしまっている。

現に私は7年だけでも3枚持っているが、手放したくはない。
こういう意識の円銀コレクターはきっと多数派だ。
コレクターではなく、投機目的の輩は利確するだろうが。

外国コインに関しては、私の啓蒙活動もあってか、笑、アメリカコインにおいてかなり出品枚数が増えてきた。
もっとも、私のいうアメリカコインはモルガンのようなありふれたものは含まない。

問題は欧州のコインだ。

今回目立つのは、都市景観とブラウンシュバイクのマルチプルターラーの多さだ。

都市景観に関しては、フランクフルトものがかつてないほど多数出品されている。

この展開は面白い。

入札がMSに集中すれば、このところ高値だったAUクラスが元の価格+アルファで落札できる可能性が高まって来る。

あとはブラウンシュバイクなどのマルチプルターラーだろう。

こちらも見たところ4枚出品されているが、どれもが魅力的だ。

パラマウントコレクションのように全て競り上がるか、入札がバラけるか、展開によっては海外より圧倒的に安価に落札できる可能性がある。

今が売り時と見てこの手のコインをまとめて出品したのだろうか。

こういうことは周期的に繰り返されるが、相場を崩す効果はないと見る。