2020年度に入手した日本のコイン部門で2位に挙げた金貨を改めて紹介します。
旭日面は、正月にふさわしい目出度いデザインだと思います。
小キズやアタリは全くなく、完全未使用級です。
菊紋面も大変すばらしい状態です。
ここまで拡大してもキズは僅かにしか見当たりません。
実は、これとは別に大正6年銘のMS65+のものを持っています。
キズの目立つ菊紋面で比較してみましょう。
以下の写真が大正6年銘のMS65+です。
上が大正4年銘のMS66で、下が大正6年銘のMS65+です。
1グレードどころか0.5グレードしか変わらないのですが、MS66のほうが圧倒的に傷が少ないように見えます。
MS65を超えればあまり変わらない印象を持っていましたが、実際に並べると、やはり違いはあるようです。
以前大阪の催事で銀座コインにてMS64+とMS65+とで迷い、結局追い金を払ってMS65+を買ったことを記事にしましたが、その時の記事がこちらです。
ちなみに下の写真はMS64+です。
そもそも、大正4年銘と大正6年銘とでは希少価値に大きな開きがあります。
元々大正6年銘の現存数は新20円金貨では最も多かったのですが、2005年からの財務省の放出で、新20円金貨に関しては、累計で以下の枚数がコイン市場に流れ込んできました。
従って、未使用のカタログ価格も大幅に下落しました。
※カタログ価格は左側が2003年で、右側が2007年です。
明治30年=849枚:35万円→30万円
明治37年= 83枚:40万円→35万円
明治38年= 49枚:40万円→35万円
明治39年= 62枚:45万円→40万円
明治40年= 31枚:80万円→80万円
明治41年= 23枚:100万円→100万円
明治42年= 11枚:105万円→110万円
明治43年=160枚:40万円→30万円
明治44年=365枚:40万円→30万円
明治45年=114枚:45万円→35万円
大正 元年=197枚:60万円→55万円
大正 2年= 66枚:45万円→35万円
大正 3年=215枚:45万円→35万円
大正 4年=110枚:45万円→35万円
大正 5年=374枚:33万円→27万円
大正 6年=1199枚:32万円→25万円
大正 7年=130枚:38万円→30万円
大正 8年=132枚:40万円→33万円
大正 9年= 8枚:55万円→50万円
昭和 5年= 35枚:700万円→800万円
昭和 6年= 0枚:800万円→900万円
昭和 7年= 68枚:※※万円→※※万円
希少年号はやや上がっているものもありますが、ほとんどの年号では下がりました。
一気に1199枚もコイン市場に流れ込んできた大正6年銘は、もともと市場で取引されていた枚数がそれなりにあったとはいえ、やはり影響は大きいです。
一方、大正4年銘は110枚しか流れ込まなかったにもかかわらず10万円減です。
あくまでもカタログ価格は傾向値なのですが、すべての種類の金貨を合算して32000枚も放出されると金貨に対する相場観に影響します。
現在は、カタログ価格こそ13年前とほとんど変わりはないですが、実取引価格はずいぶん高くなりました。
とりわけスラブに入ったハイグレード品は今後が楽しみではあります。