昨日は、2020年にコレクションに加わった「日本のコインベスト5」を選びました。
2020年は日本のコインの収集には力を入れましたが、収集というよりは少数精鋭化を推し進めたので、単価が高いものを中心に枚数を少し抑えて購入していました。
一方、外国コインに関してはあまりにも収集範囲が広いため、自身の経済力をフルに生かしつつ、欲しいと思えるものは積極的に入手しました。
そんなわけで、購入した枚数は相当数あり、10万円超のコインがひしめいていますので、その中から5枚だけを選ぶのは難しかったのですが、愛着のあるコインということで5枚に絞り込んでみました。
※2020年度中に落札はしたものの、手元に届くのが2021年になるものは入れません。
まず第5位です。
1849年銘のアメリカのシーテッドダラーです。
グレードはAU58です。
ただし、大手2社ではなくANACSです。
このコインは、以前からずっと欲しいと思っていたモルガン以前の1ドル銀貨であり、とりわけターゲットにしていた1840年代でしたので、Stack'sBowersのオークションイベントで相当額を注ぎ込んで落札しました。
プルーフライクの肌は秀逸で、大手2社に再グレードを依頼しようと考えています。
第4位は、
1801年銘、スペイン領コロンビアの8エスクード金貨です。
重さが27g超、金の含有率90%の大型の金貨です。
現在の金価格がg7000円として、地金価格だけでも15万円を優に超えます。
ただし、スペイン領中南米の金貨は一応非地金型ですので、グレードの良しあし、見た目の良しあしが価値を決定づけます。
このコインのグレードはNGCのAU58ですが、このあたりのグレードを超えると取引額は一気に上がってきますので、今後入手が困難になると予想されます。
このコインを4位に選んだ理由は、金貨の大きさと迫力はもとより、状態のよさです。
写真はカルロス4世の肖像面ですが、裏面の紋章も非常にシャープで美しいので4位としました。
第3位は、
1883年銘のアメリカのトレードダラーです。
トレードダラーはAU58程度までなら同グレードのシーテッドダラーの半値以下で入手が可能です。
しかしながら、MS61クラスともなると急激に入手が困難となります。
このコインはヘリテージで落札しましたが、決め手はブルートーンとプルーフ肌です。
実際、このコインのグレードはPR62と高く、それゆえに相場も高いのですが、なにより発行枚数979枚というところがこの丁寧なつくりを実現していると思われ、アンティークコインとしての格は通常貨のシーテッドダラーのAU58クラスを大きく上回ります。
従って、堂々の3位です。
第2位は、
1874年銘のアメリカのトレードダラーです。
このコインはヘリテージで落札し、先日記事にしたものです。
上述のとおり、AU58クラスのトレードダラーならさほど入手は難しくありませんが、やはりグレードが上がると急激に手に入れにくくなります。
MS63クラスともなれば、アメリカ本国でもそうそう見かけることはありません。
このコインのグレードはMS63ではなくPR63と非常に高く、日本国内での入手はほぼ不可能です。
プルーフ貨の発行枚数は700枚とされていますので、おおざっぱなアメリカ人もさすがにいい仕事をしています。
適度なトーンも素晴らしく、これは文句なしの2位です。
そして、外国コイン部門の第1位は、
1792年銘のドイツのレーゲンスブルクの都市景観ターラー銀貨です。
今年は、相当数のアメリカコインを入手しましたが、芸術性の観点からも、このコインを超えるものはないとの評価です。
この都市景観ターラーは、入手に際してとても苦労しました。
浜松町のJCCさんで時々販売されてはいましたが、とにかく高額で、決意を固める前には売れてしまっていました。
このコインに関しても、オークションワールドで出品されていることに気づき心が躍りましたが、パソコン画面越しに見た限りではそれほど期待の持てるものではありませんでした。
ですが、下見で実物を見て意識が一変しました。
「グレードこそAU55だけれど、これは過小評価なので行こう」と決意を固めて本番に臨み、そこそこの価格で落札しました。
実物を手にし、摩耗の少なさ、アジャストマークが全くない点、美しい軽トーンなど、長所だらけです。
フランツ2世の肖像面も鏡面状の肌が美しく、この都市景観ターラー銀貨は文句なしの1位です。
このほかにも、2020年に入手した外国コインは素晴らしいものがたくさんありました。
アメリカコインではドレイプドのハーフダラーXF45、キャップドバストハーフダラーのMS62クラス、18世紀のロシアルーブルでもAU53から55のものを複数枚手に入れられました。
1721年銘、1745年銘のニュルンベルクの都市景観も外せません。
それゆえ、5枚に絞るのは大変でしたが、やはり上記の5枚が「2020年に入手した外国コインのトップ5」でしょう。
2021年は年始そうそうアメリカの大物コインが自宅に届く予定です。
大きなオークションも来月半ばに行われるので、そこでの戦果によってその後の収集活動を勢いづけることができればいいかと思います。
今年もお世話になりありがとうございました。
2021年は皆様にとって幸多き年であることをお祈り申し上げます。
どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。