映画「メアリと魔女の花」を観てきた。

夏休みということで、家族連れの客が多くて、たまたまチケット売り場で勧められた席の隣が小学生くらいの女の子だった。

もしかしたらまだ小学校にあがるまえの年齢だったかもしれない。

映画の中盤くらいでもう、怖がりはじめて、近くに座っている母親に泣きついていた。

特別恐ろしい形相のキャラクターが出てきたわけでもなく、今からこわいことが起こるかもしれないといった雰囲気で泣き出したので、たぶんそういうことは理解できる年頃だったのだろう。

その子が特別怖がりだったのかよくわからないけど、そういう、感受性の豊かさにはある意味感動して、自分がこの女の子と同じ年齢で観たらどうなっていたのだろうかと、もう取り戻せやしない時間とエンタメに慣れ過ぎた自分を呪った。

映画の内容としては、わかりやすく、ちょっとした仕掛けも用意されていて、楽しめるものでした。

冒頭の、メアリが出てくるまでの数分。過去に起きた出来事であろうストーリーの画の力がとにかくすごくて、あれは本当に力のある数分で、あそこだけでも見応えを感じるのでぜひ観てほしい。

面白くて、泣けて、わかりやすくて、感動する映画でした。

なのに

大人というのはどうしてこうも欲しがりな生き物なのか。

後半、スクリーンを観ながらぽろぽろ泣いてしまうくらいに感動してるくせに、どうにも引っ掛かってしまって申し訳ない。ただ観る側の素人のくせに、申し訳ない。

たぶん、わかりやすさを重視した結果なんだろうと思うんだけど。

スケールの大きさは感じなかった。

これはきっとわざとなんだろうな、とわかっているんだけども。
完全にネタばれになってしまいますが。

エンドア大学が大変なさわぎになっているときに、あれだけいた生徒たちはどうしていたんだろうか。

私が見逃してしまっただけで、そういうシーンってあったのかな。

フラナガンさんはああいう性格だからまだ良しとして。

主役以外の、大勢の無関係の大人たちがどういう行動をとるのか。

それによって、たぶん、理解が深まるというか、より観る側は、世界観にのめりこめたのではないかなと。

好きなシーンとしては、鏡に映るシャーロットさんの姿が、赤毛の魔女になるところなんてもう鳥肌ものでした。

彼女が「夜間飛行」を盗み出したとき、それを応援する仲間はいなかったのでしょうか?

一人、追ってから逃げて人間界に落ちていき髪の色が変わる様は、あまりにも寂しすぎる。

「天空の城ラピュタ」の冒頭で、飛行石を取り戻して、客船から一人空へと落ちていったシータはその後パズーに助けられたけど。

こうなってくると、やはり原作を読んでみるべきなのかなと。

原作を読んでもいないのに、えらそうに語りすぎましたね。申し訳ない。