今日は悟りを開くと、つまり覚醒すると自我はなくなるのか、ということについて書いていきましょう。
自我とは、個人の私という感覚を持った思考や感情のことです。簡単に言うと心です。
覚醒した人は、何も考えなくなるのでしょうか。覚醒した人には、思考がないのでしょうか。
そんなことはありません。
覚醒した人にも、思考は自動的に出てきます。
しかし、覚醒状態が定着すると、過去や未来のことに対する思考が激減します。
ほとんど目の前のことに対する思考しか出てきません。
このように言うと、過去から学んだことが忘れられてしまうのではと思うかもしれませんが、目の前の出来事に必要な過去の記憶は自動的に出てきます。
また、未来の出来事に対する準備が出来なくなるのではと思うかもしれませんが、それも淡々と自動的に準備されます。
では、具体的にどんな思考が減るのでしょうか?
それは、過去の出来事に対する後悔や悲しみ、未来の出来事に対する不安です。全く無くなることはありませんが、もし出てきてもすぐに消えますし、消します。
覚者、ラマナ・マハルシは言います。
覚者は、一種類の潜在的傾向だけが残っている。それが「楽しむ者という感覚」の潜在的傾向である。それさえもたいへん弱いもので、彼を打ち負かすことはない。
この「楽しむ者という感覚」は、目の前のことを楽しむということなのです。
因みに潜在的傾向とは、自我のことです。
2022/6/18
