今日は発熱のお話し。
中国医学では、発熱と言っても体温の上昇だけでなく、
自覚的なほてりや手のひら・足底の熱感、などの
実際に体温上昇していないものも、発熱の範疇とされている。
発熱の原因は大きく分けて2つ。
「外感発熱」と「内傷発熱」
外感発熱とは、一般的なカゼを引いた時の発熱。
内傷発熱とは、五臓六腑(内臓)の働きが乱れた時や
気血・陰陽のバランスが乱れた時に起こる発熱。
専門用語で「何だそれ??」って感じで、難しいですよね・・・(^_^;)
要するに、過労や飲食の不摂生とか、感情の大きな乱れとかで
どこかの臓器の働きが悪くなったり、
臓器同士の関係性にアンバランスが生じたり、
気血と言う身体を巡るエネルギーの巡り方に異常がでたりと。
簡単に言うと、身体の何かの調子が悪くなり、
現れる熱感を内傷発熱と言うます。
ざっくり言い過ぎたかな(^_^;)
今日はこの内傷発熱のお話し。
内傷発熱は原因によってそれぞれ名前がついていて、
肝鬱発熱
瘀血(おけつ)発熱
気虚発熱
血虚発熱
陰虚発熱
などなどに分類されます。
また専門用語ばっか・・・。
お許しをm(__)m
それぞれを説明しても面白いけど、
長くなるし、読んでいるとくどくなると思うので、
今治療している患者様のをピックアップして説明します!!
当院で治療中の患者様は、気虚発熱というパターンの熱感です。
症状は、上半身のほてりと発汗、下腿部(すね)のほてり、
心煩(胸部の胸苦しさ、気分が落ち着かない様子)、
食欲不振、味覚異常、泥状便などなど。
動くと疲れやすい、疲れると横になりたくなり、火照りだす。
火照って発汗するとさらに疲れてしまう。
これが気虚発熱の特徴的な症状なんですが、
気虚発熱を簡単に言うと、身体の気(エネルギー)が不足して、
発熱しちゃうんです。
なんで気が不足して発熱するん??
って、思いませんでしたか?
僕がこの医学を学び始めたころ、これ思いました。
そもそも、なんで気が不足してしまったのか?
これもいくつかパターンはあるんですが、
この患者様の状態に沿って説明すると、
飲食の不摂生や過度の疲労、精神的な負担などで、
胃腸の調子を崩してしまい、食べ物からの栄養をうまく気に作り変えられず、
気が不足してしまいます。
胃腸の調子が悪くなると、全身に気を巡らすことも出来なくなり、
胃腸のある腹部で停滞して、少ない気が動かず、こもってしまって
これが熱へと変化してしまう。
この熱が、この患者さまのほてりの原因になってしまったのです。
なので、胃腸を整える治療をすると、
上半身のほてりは落ち着き、
心煩も軽減する。
面白いですよね!
胃腸を整えたら、火照りが楽になる。
火照りの治療って、中国医学以外の理論で治療させてる先生って
どうやって治療させるんだろうか??
アイスパックとかで冷やすのかな??
まっ、この事は置いといて。
ここでめでたしめでたしと、終わりたいところですがっ!!!!
下腿部の火照りが取れない・・・。
しかも夜間に増悪する。
これは、陰虚もあるのだろう。
でも、陰虚の所見はほぼない。
もちろん、胃腸の統括役的な「脾」と言う臓器は陰陽で区別すると陰の臓器。
また脾は、気と共に「血」を作り出し臓器。
血も陰陽で区別すると陰に属する。
陰虚や血虚の可能性もある。
気陰両虚、気血両虚も考慮しなければ。
最後はまた専門用語になってしまいました。m(__)m
ここは院長の独り言と思っておいてください。
学術的には、あ~だこ~だと用語を使っていますが、
患者様にはできる限り分かりやすいように説明しています。
今日は発熱について書きましたが、
体温が上がって病院へ行くと、たいていカゼと判断される事が多いですが、
体温が上がっていても、カゼではないパターンも多々あります。
特に長引く発熱は、今回書いたように内傷による事が多いです。
頻繁な発熱や、身体のほてりなどでお困りの場合も
お気軽にご相談ください。
カゼでの発熱の時も、ご連絡ください。
鍼灸でカゼ??と思われるかもしれませんが、
病院で薬もらって寝てるだけより、
鍼灸治療を受けて寝ておくのとでは、
後者の方が、治るのも早いし、変な倦怠感も残りにくいです。
最後は宣伝みたいになってしまいましたが、
久しぶりに臨床的なことを書いて
スッキリした~~!!
長文を最後までお読み頂き、ありがとうございました。
ではでは。