四国遠征2日目。

朝起きたら、左手の中指が腫れていた。

前日の釣行でうっかり足を滑らせ、右のすねと左手の指を岩にぶつけてしまったのだ。

窓の外は雨。雨が降ってる。

どうせはれるのなら、指じゃなくて空がよかった。

湿布は持って来ていなかったので、とりあえずフェイタスローションを指に塗りたくる。

 

空と同じく心もどんよりしてしまうが、前日の釣果がイマイチだったこともあって、雨なんかにひるんではいられない。

わざわざ四国まで来たんだ。今日こそはきれいなアメゴちゃんを釣るんだ、と思いながら朝ごはんの支度。

ユニフレームのマルチロースターをガスレンジにのせて、レーズンとくるみの入ったパンをトーストする。ガスでごんかり焼くと、見るからにおいしそうだ。

バターを塗ったパンと、ベビーリーフとミニトマトのサラダにいためたウインナーと目玉焼き。

山で食べる朝食は格別である。

これだけで、落ちていたテンションが一気に上がる。

元気を取り戻してウエーダーと靴を履き、ベストの上にレインジャケットを羽織ってから、思わず「あっ」と声をあげた。

デザートのいちごヨーグルトを食べ忘れたことに気づいたのだ。

 

2日目はもっと下流部に入ってみることにした。

しかしフライを落としても全く反応がない。

ないないない。

昨日よりもさらに嫌ーな予感だ。この雨のせいだろうか。

魚が上を見ていないのか。

 

私たちは普段、「ドライフライ」という、水面に浮かんで流されている虫を模した疑似餌を使っているのだが、魚が水中に潜って上を見ていないときには、「ニンフ」という、水中を漂っている水生昆虫の幼虫を模したフライが効果的だ。

しかし、私はこのニンフを上手く水中に投じることができない。

魚のいそうな場所にきれいに飛ばさないといけないのだけど、私はやみくもに竿を振りまわしているだけで、ちっとも飛ばないのだ。

かず君に辛抱強くレクチャーしてもらいながら、何度もパッシャンパッシャンとニンフを投げているうちに、そのあたりにいたおさかな達はみんなどこかへ行ったらしい。

またしてもボウズというがっくりな結果のまま、びしょぬれになりながら、私たちは午後早くに釣りを切り上げた。

 

いいんだ、いいんだ。

帰りにSAで、瀬戸内の藻塩焼き豚ラーメンを食べるんだ。あれを食べて元気になるんだ。

そうつぶやきながら、近場の温泉で疲れを癒し、帰路につく。

しかしいざ降り立ったサービスエリアでは、藻塩ラーメンよりも、エビと季節の野菜のかき揚げうどんに心を奪われてしまった。

大きなさくさくのかき揚げがどーんとのったうどんを、幸せな気持ちで食べながら、心の中で再びリベンジを誓う。

 

次回こそは大きなアメゴを釣るんだ。

そして帰りには藻塩焼き豚ラーメンを食べよう。