晩春の肌寒いなかにも「あー、今かすっていったの夏だよね」という日がちらほらと現れてきた五月下旬から、赤ワインを開けるようになった。
整体鍼灸院に通いはじめたタイミングで、ジュースはもちろんビールなどの炭酸飲料が手足の冷えを加速するような気がして、暫く日本酒を選んでいたのが赤ワインになったというわけだ。
 
サイゼリヤでキャンティの爽やかさに改めて気づいて、暫くはキャンティ一辺倒だったけど時にはイタリア以外の国にも触れてみようとスペインワインを買ってきた。
こちらはグラン・レセルバといって、オーク樽で最低60ヶ月熟成した深みのあるタイプの辛口。
熟したアロマと僅かなトースト香というので慎重に味わってみると、トースト香というのはこれかぁ?というような甘香ばしい風味が鼻の奥を濡らしている感じ(がしないでもない)。
葡萄の品種はスペインワインお馴染みのテンプラニーリョを主としてカベルネ ソーヴィニヨン、ガルナッチャ ティンタと明記されているようにかなり複雑な味。
好みとしてはキャンティに軍配があがった。
お値段はこのスペインワインの方が高いけれど、好き嫌いなんでこればかりは仕方ない。
「だって好きなんだもん」は、すべての条件を簡単に覆す武器なのである。
 
さて、赤ワイン。
飲みはじめてから体重が増えてきた。
日本酒もワインもアルコール比で考えるとカロリーは変わらないと思うのだが、日本酒はワインのようにがぶがぶいただくものではない。
よって、絶対量を摂取しているワインを飲み続ければ体重が鰻登りになるのは当然。
何を削ろうか、とキッチンを見回すと、食べもの飲みもののすべては俯いて、わたしと目を合わさないのだった。
 
削りますとも。
またご報告いたします。
 
 
 
Vinas del Lastra Gran Reserva  Nの上の  〜  可愛くないか? ※ラベルをご覧ください

 

すこしずつ遺跡を置いてゆくやうに空の鉢植ゑふせてかさねる

漕戸もり