ガールズシリーズということで、ドラゴンズのロゴとベースがピンク色になっていたある日のバンテリンドーム。
成績が芳しくないのに、遠征も含めて集客力が断トツだという中日ドラゴンズ。
この日もトホホの結果なのに、最後まで帰らないファンがほとんどで頭が下がります。
グッズの購買力も好調のようで、売場は試合中も終了後も長蛇の列。
おいおいそんなに買って大丈夫かと心配になるほど、お菓子からシャツから飛ぶように売れていく。
一体どうなっているのだろう。
ドラゴンズにファン心をくすぐる何かが潜んでいる。
永遠に辿り着けないような駅までの混雑を、ひとつもうなだれた姿を見つけられず、今日はもしかして勝ったのか?と首を傾げながら歩く帰り道。
今だにその答えはわからない。
勝ち負けといえば。
先日、芸人のみなみかわさんの相談相手オーディション、という番組がSNSから流れてきた。
移動中にチラ見していたから全容は曖昧だけど、事務所を独立したばかりのみなみかわさんが、今後相談したいお相手の候補者と面接するという企画だった。
その候補者として、同じくらいのキャリアなのかな?オズワルドの伊藤さんが登場した。
その伊藤さんとみなみかわさんが言い合うシーンに、最近のお笑いは賞レースありきで、賞に標準を合わせてネタを作成したりスケジュール管理したりすることが多いことが善か悪かという問答があった。
みなみかわさんからひたすらM -1優勝へ情熱を傾けるオズワルド伊藤さんへの痛快なクエスチョンだった。
勝ち負け。
番組の結末はわからないけれど、このクエスチョンはあれからずっとわたしの心に、しまい忘れた将棋の駒のように転がったままだ。
お笑いとスポーツとでは勝負の重要性が違うのは承知しているし、勝負となればなんだって負けるより勝ったほうがいいに決まっている。
けれど、わたしたちを魅了してやまない『何か』というのは、勝負のもうすこし高みの場所に存在するような気がするのだけどどうだろう。
あのみなみかわさんの僻みのように取れかねない発言は、M -1やR -1がいつか廃ってゆくことを暗示してはいないか。
勝てないドラゴンズの『魅力』を知っているファンがドラゴンズを育てるように、敢えて賞レースを目指さないお笑いの『魅力』をちゃんと応援できるような慧眼を持っていたい。
それにしても。
ファンというのはほんとうにありがたいものです。
ドアラのいないバンテリンドーム
いきほひのままでゐられぬ夏服のみだれを直す風のあとさき
漕戸もり
いよいよ夏。
浮かれてばかりいられない。
