春まで我が家にいるうちの居候の友人のサイン。
居候に、どうして宛名と日付を書いてもらわないのかと尋ねると、遥か彼方からぞくぞくと現れる有名無名の知り合いというゾンビたち(うちの居候含む)へ、せっせと書いて渡すだけで精一杯らしい。
なんていい子なのだろう。
名前を書いてと、一瞬でも思ったことを恥じる。
なかには、そういう類は一切受け付けないという選手もいるというのに、オフシーズンだからこその心と体のメンテナンスや、遊びや、もしかして恋などでも忙しいだろう最中、山のような色紙にサインをしている彼の姿を想像するだけで、すっかりすきになってしまった。
来週には立春を迎えるから、もう色紙も片付けているところだろう。
色紙を書いた数万倍の有名無名の人たちが見守っている。
そして、大切な若い芽が根腐れしないよう球団に眼を光らせている。
 
いちばん。
いい数字です。
素晴らしい幸運をどうか楽しんで。
 
 
判読できないほうがありがたみが増す

 

イオン今池店徒歩五分の動悸すきとほる春なのに春のてふなのに

漕戸 もり

 

 

イオン今池店も今月で店じまい。

イオン今池店がダイエーの頃、よく行っていた。

恋人が近くに住んでいた。

その恋人のアパートも既にない。

徒歩5分と一緒に。