反時計回りに螺子をゆるませて箱へともどす欲望ひとつ 漕戸 もり
〜中日歌人会三河特別歌会秀歌より 中日新聞9月掲載
欲望。
すこし色っぽいことを想像して欲しいのだけど、その実、単に眠いとかお腹が空いたとかがモチーフになっていたりする。
ファンデーションが浮いた妖怪みたいな顔で眠気と戦っていたり、肉を目の前によだれを垂らしていることを、いかに下品にならないように歌に落とし込めるか,という実験。
エッセンスとして、愛してはいけないひとを思いだしたりしなかったり,したり。
こうして日々の作品は我慢から生まれている。
