なりたい肩というのがある。
肉を透けてうっすら骨のかたちがわかるような背中からなだらかに連なっているので、うっかり胸に入れてみると、強固なまでにふてぶてしく、抱きしめ心地は華奢なそれではない。
抱いたこちらの胸が傷ついてしまうちいさいけれどまるみの欠片もない硬さに、たいていは「じぶんはこの肩を抱くのに向いていない」と抱いたことを後悔する、ような。
それでも。
あれからずっとわすれられないのはどうしてだろう、と人生の折に触れかんがえたとき、晩年にやっとひとつのこたえにたどり着く。
強さは弱さだということに。
気づけなかった、というもうひとつの後悔を得てやっと抱きたいとおもえる、ような。
 
 
傘を干す庭が翳りに満ち溢れ閉ぢたら終はるやうな始まり
                漕戸 もり
 
 
 
ケイコさん最近どうしてるのかなぁ。
このジャケット、MY BEST SHOULDERです。