ただひとつ惜しみて置きし白桃のゆたけきを吾は食ひをはりけり
                        斎藤茂吉
 

白桃をしらももと読ませると、なんとも愛おしい。

白桃は存在そのものの名まえのはずなのに、猫のミーの<ミー>のような手ざわりになるから不思議。

常温でやっと食べごろになった桃を冷蔵庫で冷やす前のふたつ。

しらもも、しらもも。

え?

ちょっと呼んでみただけ。

 

  しらももの種を剥がせばひとりきり   漕戸 もり

 

 

歪なかたちの種もふくめてのわたし。