夏のネイルは、それ自体がアクセサリーになるようなラメをえらぶ。
指輪やピアスは汗に弱いのでできればはずしたい。そんな夏にジュエリーを身に着けているようなネイルは最強である。
ほんとうは薬指以外をキラキラネイルにするほうが好みなのだけど、逆に薬指だけラメがみっちり入ったネイルスタイルに決めた。
仕事柄、打ち合わせをしながら先方様の目前で進行表を記入したり、身振り手振りで説明をすることが多いので、あまりキラキラしててもと断念した次第。
しょぼくれていてはいけない、といってお客様より目立ってはだめというのはなかなかむつかしい。
 
○○という名古屋で人気のゲストハウスがあるのだが、そちらはスタッフがお客様に憧れていただくコンセプトで、ネイルからジュエリーからヘアスタイルまで、もしかしたら夜のご出勤?と疑うようなきらびやかな方々がずらりと揃う。
 
ううっ。
 
コロナ禍の影響がほとんどなかったほどの人気ハウスなので、それが<正しい>のかもしれないし、それが<傷>だとしても他の要因で選ばれているのかわからないが、前者なら個人的には考え方が異なる。
清潔で清楚で身だしなみが整っていて知的であれば、それ以上の宝石や尖った爪は目障りになるだけだ。
お客様は神様です、は言い過ぎだけど、お客様を下から支えるような仕事をいていれば「憧れます」などと神様からご褒美のようなお言葉がもらえる。
そうやってきてもう数十年。
大丈夫。
ネイルをするための心の余裕も資金も仕事もほとんど消えたコロナ禍に比べれば、準備出来るだけで感謝です。
 
 
 濡れてゐる綿花からみづ吸ふ音の激しさを知る夏を束ねて
                 漕戸 もり
 
 
花束を持つひとと地下鉄に乗り合わせた。
差し上げるのだろうか、それともいただいたのか。
花が全体的に尖っていたけれどあれは南国の花なのだろうか。