昨年11月30日、西友御器所店が閉店したことは前にも述べた。
もう半年が過ぎたことを、写真を整理しながらおもいだしている。
これは、閉店前日に買ったチキンカツ。
月に一度は必ず食べていた。
お値段のわりにボリュームもあるし、胸肉なので見た目よりさっぱりと食べられるから、どんなお酒の肴にもなる。もちろんご飯にも合う。
閉店当日にもコーナーには総菜が満ち満ちていて、午後に出かけたらもう売り切れていた。
みんな考えることはおなじなのだ。
4年後、西友は高層マンションと共に帰ってくると言っていたけれど、このチキンカツがこのままの姿かたちとコスパで再会できるとは限らない。せめて最後は、忘れないようにしっかり味わっておこうというのが人情である。
そのうえ、後生大事に写真までのこしておいた。
青春の味ではないけれど、青春を過ぎてもなお、記憶にとどめておきたい味はあらわれる。
それは、旨いや安いでなく<記念碑>というstatueとして、記憶のどこかに建てられる。
わたしはそれをときどき見上げては、あしもとの説明書きを読む。
そこには、
2022年11月29日西友御器所店さいごのチキンカツ、とでも書いておき、そのたびに、あれからもう〇年過ぎたのか、などと感慨深げに頷くのだ。
灯台に螺旋階段やかましい 漕戸 もり
夏には夏のお腹の空きかたがある。
灯台の中を巡る錆びた螺旋階段を登る音かする。
