韓国旅行のお土産をいただいた。
スティック状に個別包装されており、高麗人参口服液が10mlずつ入っている。
人間版チュールといったら、形状は想像しやすいかもしれない。
なんだかとてもありがたそうな、効きそうな、それゆえ鼻血を出して失神しそうなインパクトがある。
梱包はゴールド感が強く、ギラギラしていてすべてがゴージャス。
これこそ韓国のお土産に相応しく、きらびやかであやしさ満点だ。
 
体にいいらしいと、お土産をくれたひとは言っていた。
どうも土産を買った当の本人も、~らしい程度の認識なのだった。
じぶんの身はじぶんで守れという、資本主義国に生きているので、早速それに則り韓国語ができる友人にパッケージのハングルを翻訳してもらった。
すると、この製品の会社は、韓国では知らないひとはいないくらい有名企業なので、まったく問題はないとお墨付きをもらった。とりあえず、鼻血は出るかもしれないが、失神はしないだろうと予測できたので、ものは試しに、効果がわかりやすい非常に疲れている今日を選んで、内服することにしてみた。
 
ふむふむ。
味や口あたりは、やや苦くしたユンケル黄帝液といったところか。
でも甘味もついているので、眉間に皺を寄せて飲むかんじではない。

パッケージの説明には、本場韓国産の高麗人参のなかでも、栄養素の高いといわれる紅参を使用していることや、サポニン、ビタミン、アミノ酸などぜんぶで170種以上の栄養素がふくまれていることも記載されているらしいけど、そもそも韓国産がいいのか悪いのか、紅参がどのくらい貴重なものなのかてんでわからないので、体自身も「どこへどのように作用させていただければいいんでしょうか」と戸惑いながら、五臓六腑をめぐらせているに違いない。

 

ところで、

エブリタイムVという名称のこの商品。

この箱のどの文字がエブリタイムVと読むかわかりますか?

 

キラキラの箱に、それがどこに書かれているか教えてもらったのだけど、未だにそれだとは信じられない。

その言葉の、どこをどう捻ったらエブリタイムVなどと読めるのだろう。

象形文字が、そのまま残っているようにみえる絵画みたいなハングル。

そのせいか、ハングルが文字だという認識がどうもしがたい。

無知識というのは、想像力ばかり逞しくさせるけれど想像の範囲を超えてこない。

だから仕方なく、狭い世界に居続けるだけなのだった。

情けないなぁ、韓国語ができる友人やAIに頼っていてはもったいないなぁ、とじぶん自身にがっかりするのである。

この落胆疲れも、どうか取り除いてくれますように。

 

 

 

べつにいいとはおもはないけれど舌の余白をはみだして云ふ

                  漕戸 もり

 

 

 

お疲れ様です。
お疲れ気味です。