昔の恋人  漕戸 もり

 

  不自然な自然に生まれ石鹸玉

  蝶結びするたびあたらしく触れる

  緑差すコカコーラへとあなたへと

  宿居虫の横顔見てゐたら暮れる

  手紙なら白詰草の夜に植う

  これからの憶ひ出を言ふ麦青む

 

 

 

昔の恋人という<永遠>。

わたしもだれかの<永遠>だとしたら

なんとなくありがたいではないか。