早くも玄関に五月人形を飾った。
3月中は陶器の雛人形を出していたけれど、
そろそろ3月も終わりに近づいたので、片づけついでに
すこし気が早いと思わないでもないが飾ってみた。
1年を12で区切ってみると、
その月を代弁するような小物がみつからない月がある。
4月、6月、8月、9月、11月がそれに該当する。
これらの月には、年の干支の置物を置いておくこともあるし
今日のように、その次に来る月のイベントを先取りすることも多い。
6月なら七夕飾り、9月はおばけかぼちゃ、11月は言うまでもなくクリスマスツリーを。
すると、なかでもいちばん潰しがきかないのは8月というのがわかる。
8月をイメージするものを考えると、海や山、氷や西瓜、
麦わら帽子やラジオ体操。花火やフェス、盆踊りのように
夏のイベントはわんさかあるのに、
ハロウィンでいうところのおばけかぼちゃのような
<イメージキャラクター>が不在なせいか
具体的にどうだ、と指し示すデザインがいまひとつ浮かびにくい。
どれもスケールが大きくダイナミックなので、
飾るという発想のなかに入りきらないせいだろう。
時折、いただきものの向日葵やスターチスなど夏の切り花を飾ることもあるが、
部屋に有人または無人のときの温度幅がありすぎて花に負担がかかるので、
夏は室内に植物を置かないようにしている。
となると、8月の玄関先は必然的に干支(今年は兎)のオブジェで飾られて、
我が家の8月は毎年毎年どことなく品が良く控えめな印象になるのだった。
うっかり8月の話に脱線してしまった。
時をもどそう。
玄関にささやかながら、こいのぼりに跨ぐ金太郎がお目見えした。
控えめというより攻めの姿勢で、なんと言っても精悍なのが好ましい。
4月はじまりのスケジュール帳みたいに、外堀から追い立てられるような春。
金太郎に支えられながら凛とした気もちで迎えられますように。
なんといっても金屏風には寿と書かれている。
端午の節句の前祝の4月だとしても、それはそれでいい。
寿いで過ごしましょう。
弓も矢も持たぬあなたと桜狩 漕戸 もり
一宮の大乗公園の桜。
人々は桜に<お邪魔します>というように歩く。
素敵な遊歩道でした。
写真はいずれまた。
