お正月のだらりとしているときに
働くひとをみるとなんだか申し訳なくおもう。
特に宅配業者の方が、こちらが指定した時間内に
きちんと荷物を届けてくださると、おもわず平身低頭してしまうし
そうするべきである。
お正月に働いているひとがいるおかげで、
たのしみに待つ荷物が手に入る。
なんとありがたいことだろう。
宅配業者の方、と限定したのは、
届けて下さるなかでも<Uちょ>については
このあたりの地区の問題なのか、
たまたま地区担当者の質のせいなのかよくわからないのだが、
指定の日時に届かないことが多いので省かせていただいた。
<Uちょ>さんは、ご丁寧にラインで
荷物の届く日時が近づくとお知らせしてくれるのはいいのだけど
それが守られるのはまれである。
先日など、そのために仕事先から慌てて帰宅したものの
待てど暮らせど荷物が届かないので、
地区の元締めであるS局に問い合わせると、
「その日は配達の担当者が体調を崩したので帰らせたから、
遅配してしまった」と言い訳なのか同情を寄せて欲しいのか
よくわからない回答で、そのうえ、
お知らせのラインは善意なので信憑性に乏しい、などと言うではないか。
いやいやそれはどうも申し訳ありません、と
こちらが謝らなければならないようなおかしな具合になってしまった。
「いや、それならそれでいいのですが、
せめて電話の一本でもいただけないでしょうか」と
せつにお願いして電話を切ったのだがどうも腑に落ちない。
<体調が悪い>は体のいい鎧のようで、
サービスの質の低落をコロナ禍だけのせいにするのはどうなのか、と
残念におもうのだった。
まあ正月から愚痴ばかり言っていてもしかたがないので、
宅配の話にもどろう。
このお正月、殻付き牡蠣が届いた。
こんなものなんぼあってもいいですから。
なかに牡蠣を殻から外すナイフも入っていたので
他に、軍手と食品用の鋏があれば鬼に金棒、
届きたてを今すぐにいただける。
さっそくいくつか剥いて
薄い濃度の塩水でゆすぎ、そのままでいただいてみると
海水の塩気がやや強い。
これは牡蠣飯かカキフライにしたほうがいいかと
残りをいったん暗所保管しておいた。
ところが翌日、まだ大量にある残りの牡蠣を剥き
おなじように塩水で洗っていただいてみると、
不思議なことに塩気はやわらいでいた。
牡蠣はすきだけれど、食べごろなど詳しいことには無知なので
このことがたまたまなのか、当たり前のことなのかは定かではないが、
結局のところ翌日には、
生牡蠣とカキフライでどちらも美味しく平らげてしまった。
寝かすということばがあるけれど、
手間暇のかかるクール宅急便とはいえ
配送システムの向上や企業努力の賜物で、
取りたての海や山の幸は瞬時に家庭に届く。
それらを<寝かす>というひと作業がこちらに必要だというのは、
なんと贅沢なことなのだろう。
これもすべて、お正月なのに働いている方々のおかげさまである。
もちろん牡蠣の生産者さまにも感謝である。
去年今年一枚二枚と波の数 漕戸 もり
北海道湧別町は果てしなく遠いけれど
海の香りは届くから不思議。
