は〜

また始まりました新しい年。

この 嫌だなぁ感 は一体なんだ。

子どもの頃からずっとそう。

大晦日から元日までの48時間が〈生きとる〉(名古屋弁)で、

それまでとそれからは〈生かされとる〉(続名古屋弁)。

生かされとるというのは結構〈えらい〉(続々名古屋弁)。

ちょうど1年の真ん中あたりの梅雨空に

〈まぁ〜たゃ〜ぎゃ〜にしなかんわ〉(帰ってきた名古屋弁)

と立ち留まり、

能天気な太陽に炙られて遂に〈とろいでかん〉(続帰ってきた名古屋弁)

とあらゆるを受けとめて、

気づけば師走〈だでかんわ〉(続々帰ってきた名古屋弁〉。

 

今は貴重な〈生きとる〉48時間内にいるので、

伸びきっているゴムのような精神なのだが、

さすがに残り数時間ともなると落ちつかない。

車の少ない道路を見ては感嘆のため息を吐き、

スギ薬局のパートのお姉さん(というオバさま)に

元日からすみませんトイレットペーパーなんて買いにきて、と謝ったり、

生産性のない、けれど自由なひとときを昼間からお酒を帯びて過ごすのは

おもっている以上に瞬く間に過ぎてゆく。

最後は、リビングの窓から日が暮れるのを観る。

←今此処

 

〈ま〜かん〉(元祖名古屋弁)

 

ということばには、おめえ(時に自分もを)許さん、というような意味と

絶体絶命、という意味がある。

意味合いは違うが、どちらの意味にも

仕方なく受け入れるというおおらかさがある。

そのおおらかさだけいただいて

〈ま〜かん〉と48時間の終わり近くを名残惜しく過ごしているのだ。

 

※各名古屋弁の解説

生きとる…生きています

生かされとる…生かされています

えらい…怠い

まぁ〜たゃ〜ぎゃ〜にしなかんわ…もういい加減にしないといけないのでは

とろいでかん…くだらないからだめなのね

だでかんわ…だから仕方ないのです

 

 

  寒の夜腸にとほせる五合燗  漕戸 もり