ひさしぶりにカラオケに行って驚いた。

サザンオールスターズに「アロエ」という名曲

(サザンには名曲以外ないのですが)があるのだけど、

知人たちが歌うのを画面を観ながら聴いていた。

2015年の歌なので、かれこれ7年間もそうだし、

たった今知人たちが歌うのもそうだけど、

サビのフレーズを、

 

♪だからSHOW、SHOW、SHOW NEO!!

 

と聴いていた。

というか、

それ以外ない至極まっとうな素直さで、自ら歌ってもいた。

正しくはみなさまご存知の通り

 

♪だから勝負、勝負、勝負出ろ‼

 

だ。

 

桑田さんの詞は、意味があるようでなく、ないようであるので、

わたしのでたらめな歌詞も疑いなく、

心に響く<意味>として、聴いたり時には歌い続けていたというわけだ。

大声で。

ときには拳骨を振り上げて。

それにしてもNEO、とはなんだ。

新しいとか復活とか?

そもそも付けるとしたら前だろう。

なにやらすべてがあたらしい。

さすが桑田イズム、などと感心までしていたのだから、

我ながらおめでたい。

 

けれども、わたしは励まされていた。

桑田さんにも、誰かが歌うカラオケでも、じぶんで歌うときでさえ。

 

♪だからSHOW、SHOW、SHOW NEO!!

 

と。

 

どんな歌でもサビ以外はたりらりら~ん、と適当に覚えるので、

(たとえばビートルズのイエスタデイの場合

「♪イエスタディ~たりらりららたり~らら~」のように)

サビ以外の部分に落としどころが施されていても存じ上げない。

だからこそ、サビのことばはとても重要となる。

SHOW、SHOW、SHOW NEO!!は、

よくわからないなりに、気持ちを詳らかにするようで、

どことなく冴えない日に、ため息でつぶやいても効果を発揮してきた。

It is showtime!の響きで。

それもNeo!な。

 

そういえば、今でもOAされているかどうかわからないけれど、

「タモリ倶楽部」の「空耳アワー」というコーナーがすきだった。

クイーンにハマったのはこのコーナーからという、

むしろわたしにとって逆輸入的な音楽の発掘番組で、

ほかの地方はわからないけど、名古屋では深夜に放送していたから、

ばか笑いしてこんな夜にどうかしたのか、と母に訝しがられたものだ。

この経験がわたしの<空耳>を育んだのかもしれない。

よく育ったとおもう。

まあ…

すくすくと育ったのなら良しとするか。

 

 

 

  鮭を噛むなまなましさを乾かして耳欠けてゐる木彫りの熊は

                  漕戸 もり