恐ろしいことになってきた。
なんなんだこれは。
シーズンが終わってしまった野球につづき応援するのが
M-1という近年の過ごしかたではあるが、
今年の緊張感は半端ない。
いったいM-1はどうなってしまうのだろう。
 
野球解説者という肩書があるように、
お笑い解説者のような方々も多くいて、
彼らの今年のM-1のそのつどの論評をざっくり追っているのだけど
いちばんすきなのは
自らも芸人であるスーパーマラドーナの武智さんである。
予想が当たるからという理由ではない。
そもそも解説者なんて競馬でも競艇でも野球でも
でたらめであることが多い。信用ならん。
裏切られた経験から信用しなくなっていったのだけど
(だれかの恋愛みたいに)
いやいやその経験はよかった。
ときには予想を外したり、方向違いのことを放ったり
おいおい、とおもうことがあっても、
このひとマジ競馬すきやん、競艇に命取られんかね、
おめえが野球チームの監督かよ、とつっこみたくなるくらい
そのものに愛しか垂れ流していないようなひとが
求めていた解説者なのだとわかったからだ。
そういう意味で中日ドラゴンズの立浪監督は
優れた解説者であったとおもう。
野球がただただ好き、という目はほんとうにすきだった。
 
あのコンビもそのコンビもいない。
あのコンビがそのコンビがいる。
このふたつは、
蜘蛛糸のような一本の線がひかれているどちらにも存在する。
ひかれている蜘蛛糸のきわにへばりついている。
蜘蛛が気まぐれに糸をずらしたら、いつのまに居場所が変わるような
そんな場所に。
勝者には1千万の賞金が出るけれど、
もうここでお金のことをいうコンビはどこにもいない。
なんなら賞金がなくなってもだれも辞退しないだろう。
それくらいの興奮状態に挑戦者たちがなっているのを
武智さんもおなじようにかんじつつ、
彼らを語る語り口は温かい。

そのお陰で、挑戦者にも増して興奮状態にある

でくのぼうのお笑いファン(わたしである)の

心持ちは一旦落ち着きを取り戻し、

またつぎを平らかにたのしむことができるのだ。

 

7261組の27組。

それだけで遠目に見れば頂点である。

最高級焼肉店の店主に

「この部位も十分旨い肉なので他店では流通しておりますが

当店では敢えて捨ててしまいます。

その奥にある1頭から1gしか取れない肉をお客様にご提供したいのです」

と言われながらそぎ落とされる肉にならないよう

27組ぜんぶを応援する。

ありがとう!

 

 

 八分の一の白菜えのきだけSEIYUの帰路肥る影踏み  漕戸 もり

 

 

なん分の一でも白菜がなければはじまらない。