ここはなにかとほころびやすいのに、注意していないと目が届きにくい。
でも逆に、ここさえきちんとしていれば絶対見破られない嘘のつきやすい場所でもある。
そのいろいろを脱ぎ去り、おそろいの花柄やギンガムチェックのスリッパに履き替えて
足をぶらぶらさせていると、くつろぐしかないでしょうという気分になる。
いい意味でも悪い意味でも。(本日二回目)
このスリッパ。
わたしのなかでは靴寄りではなく、靴下寄りに位置する。
これはコロナ禍ではじまったわけでなく、幼少のころからなので筋金入り。
病院のスリッパ。ともだちの家のスリッパ。あらゆる仕事先のスリッパ。
そして大好きな居酒屋さんでのスリッパ。
除菌スプレーや消臭スプレーをふりかければいいという問題ではない。
スプレーをかけたからといって、ほかのひとが履いた靴下を履ける勇気はない。
これはもう拷問に近い。
どうしてもというときは、覚悟を決めて浅くスリッパを履き、
実際はなにも変わらないことは知っているけれど、気分だけでも
できるだけ体重をかけないイメージで歩いたり、
最近では加齢のせいか、いいかんじに協調性も削げてきたので、
遠慮できる場合は丁重にお断りする。
実家ですら母に「廊下が冷たいからスリッパを履きなさい」と勧められてもやんわりと拒む。
写真はわたしのここ数年愛用しているスリッパ。
毎日入浴の際、ついでに洗ってベランダに干しておく。
数足同じものを買いそろえているので、雨天にも困らない。
歯ブラシのように擦れてきたら、ためらいもなく捨てる。
というのも、なんとこちらはセリアの製品。
セリアよ、ありがとう!
でもなあ、なんでだろう。
ご紹介した居酒屋さんがこのシステムを取り入れたとしたら、家庭的な要素が減るような気がする。
もしや家庭的というのは、同じ靴下を履けるということ?
ちなみに家人のスリッパは、
家人が仕事に出かけている間に殺菌スプレーをして天日干しをしている。
そんなことがばれたらどことなく気まずくなりそうで、こっそり干す。
先日、ベランダの日当たりのよい冷暖房の室外機のうえに干したまま、
夜玄関口に戻すことを忘れていた。
なんで室外機の上かよ、とぶつぶつ独り言を言っていたが
「なんとなく」と答えて終わった疑惑であった。
毎日が綱渡りである。
たぶんまた此処に生まれる烏瓜 漕戸 もり
