ある農村
北京市内に住んでいると、
なかなか目にすることのできない農村の生活。
たまたま郊外に行く機会があり、
近くの農村を見ることができた。
北京から車で一時間。
山間の痩せた土地、少ない雨量で
採れるものと言えば栗、胡桃、柿。
当然村は貧しく、
毎年政府より生活保護を受けているその農村。
農業従事者なら、農繁期であるはずのこの時期、
畑や田んぼの無い彼らは、
昼間からそちこちに集まっては井戸端会議。
収穫期以外はすることが無いらしい。
廃墟発見。
聞くと、コレが伝統的な北方の農村の建物だということで、
ちょっと入ってみた。
長い平屋の中心が玄関。
玄関の両側に部屋が一つずつ、という間取り。
北方の農村は、冬の寒さ対策に
床下の暖房、オンドル(?)のようなものがある。
画像の、床が抜けて丸見えになっている所に
暖かい空気が流れていく仕組みらしい。
大きな梁に、ぱっとみ障子にも見える窓は
日本の家屋にも似ている気がするけれど
外観は石と煉瓦。
やはりココは中国だ。
大豆を潰す道具。
いまだに手動・・というか
ロバに轢かせて使っている・・とのこと。
ちょっと押してみた。
お・・重い・・。
農村からの帰り、
長い長い列車が見えた。
山西省・大同から、北京へ石炭を運ぶ専用列車だ。
首都北京の大事なエネルギー源である石炭は、
18時間かけて、この列車で運ばれる。
車両はなんと50両!
24時間ひっきりなしに動いている。
夜、近隣の農民は、その長い車列に飛び乗り
石炭を拝借するそうだ。
それが生活していく為の手段の一つ。
・・
北京からおよそ80キロ離れたある農村の生活だ。