莫高窟の歩き方
「莫高窟」
言わずと知れた、敦煌観光のメインスポット。
「砂漠の大画廊」と形容される石窟群に、
一度は訪れてみたい、と思う日本人も多いだろう。
今秋、忙しい殿に代わって
親族一同をアテンドするお役目を仰せつかっているワタクシには
下見を兼ねて、是非一度行かねばならないところだった。
さて、その莫高窟観光。
ワタクシも期待に胸を膨らませていた一人だけれど、
見学するにあたって
「そうなの~~???」
と思うこと多々アリ。
莫高窟を満喫するためには、
ある程度準備が必要なのね・・と実感。
というわけで、
反省も含めて莫高窟の歩き方をご紹介。
莫高窟は、市内から車で20分程度という
敦煌の観光地としては好立地。
(車に揺られて数時間・・という観光地はザラ)
近づくにつれ、車窓には断崖の石窟が!
駐車場に車を停め、歩いて受付へ。
チケットを購入して、外人専用入り口から入場し
石窟を見て回るのだが・・。
★手荷物を預けなくてはならない!
★ガイドと一緒に回らないといけない!
★撮影禁止!
思っていた以上に厳しい~!!
自分達のペースでのんびりと回ろうと思っていたのに、
ガイド付きでないと入場できない。
そのガイドは莫高窟の専門スタッフに限られる。
しかも、ガイドにつき10人以上の客という決まりになっているらしく、
ワタクシたちは、日本からのツアー団体に無理やり組み込まされる!!
まあ、いいか・・と石窟へ。
★見ることのできる石窟は限られている!
★どの石窟を巡るか、また回る順番は分からない!
★石窟真っ暗!→懐中電灯・望遠鏡必携!
★石窟見学は超短時間!
一応、はじめにガイドより、
「今日は○○番と○○番石窟と・・を見ます」
との説明があるが、公開される石窟は
いつも同じとは限らないらしい。
年によって、また調査・補修時期、傷みの有無などで変わる。
驚いたのは、石窟の中が真っ暗なこと。
明かりが無い!!
石窟を見るには、懐中電灯で照らして見ないといけないのだ。
そんな情報、聞いておらず、ワタクシたちは
ガイドと団体客の照らす明かりを追うしかなく、
日本の旅行代理店の親切さをうらやましく思った。
(中国の旅行会社は情報くれず・・・。)
ただ、懐中電灯があっても
高い天井に描かれる緻密な絵をはっきりと見ることはできない。
望遠鏡も持ってきていたほうが絶対にいい!!
その石窟内滞在時間は10分も無い。
かいつまんだ説明をし、石窟内のメイン壁画を紹介し
「じゃ、次行きましょうか・・」
みたいなカンジ。
じっくり見たい派には不満が残るだろうなあ。
★特別窟を見学するか?!
★事前に勉強!!
一般のチケットで見学する石窟のほかに
別料金で見ることのできる石窟がある。
ひとつの石窟で100元(1,500円)~500元(7,000円)で、
チケットを買うのだが、これを見るかどうか・・。
その日、ガイドに勧められて
100元の特別窟を見に行った。
なんでも、敦煌の石窟の中でも
「唯一ナンタラが描いてあって、ナンタラが違う・・」らしい。
滞在時間5分程度・・。
5分で、1,500円。
それを高いと思うか、安いと思うか・・。
「いいモノを見たね~」と言われてもピンとこない。
せめて事前に知識を得ることは必要だった。
・・深く反省。
石窟見学は、およそ一時間半で終了だ。
残念ながら
撮影禁止ということで、石窟の写真は撮れなかった。
見学が終わり、改めて辺りを見回すと
異様に人が多いことに気づいた。
その日は旧暦で、4月8日、
お釈迦様の誕生日だった。
この日だけは、3つの石窟が市民に無料公開されるため、
大勢の人がこの莫高窟にやってくるらしい。
そして、年に一度のお参りをするそうな。
敦煌一の大仏(非公開)の前で
香を焚き、ひざまずいて祈っている姿も。
ワタクシたちが西へ旅し、
この日にここを訪れたのも何かの縁・・。
多くの中国人に混じって線香を供え、祈り、
莫高窟を後にした。
莫高窟観光、
ゆっくり見学したいのであれば
旧暦の4月8日は避けた方が賢明だ。