人々の 暮らしの中に溶け込んで
コーヒー一杯分のぬくもり
私が最初にさみしさを感じたのは、結婚してしばらくたってから。周りに対して関心を持たず、別れを別れとも思わず故郷を飛び立った。気が付くと、私の本籍は東京になっていた。学生時代の、良くも悪くも濃い人間関係の中に身を置くことは、もうないのだな、と思った。友達が欲しいと思いながら、私の人生は、友達が少ない人生なのだな、と思った。楽しかったことが、なかったわけではない。感謝していることは、沢山ある。
コロナ禍の中、ほとんど電車に乗らない暮らしをしている。行く所は、大体決まる。夫以外に話をするとしたら、行きつけのコーヒー屋さんのスタッフさん達。たまたま居合わせた常連さん達と、世間話をすることもある。それで、心がいくらか温まる。人間らしさが戻ってくるような。
コーヒー一杯分の愛を、ありがとう。


