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言葉の音符

短歌のブログです

 

90年前 あなたは生まれた

あやされ 友達と出会いよく遊びよく学び

青春時代を過ごし 義父と出会って結婚した

いろんな人達がいた

今 あなたの周りにいるのは病院のスタッフさん達

あの頃いたあの人達は、もういない

あの頃いたこの人達も、もういない

車いすからやっと立ち上がるあなた

今まで味わった 喜び楽しみ 悲しみ苦しみ全てが

遠い遠い過去へと

うたかたとなって押し流された

 

夢の中であなたは

戦時下を潜り抜けた利発な少女

夢の中であなたは

ピンヒールを履き スカートのすそ翻し

恋人だった義父とフォークダンスを踊るみずみずしい女性

夢の中であなたは

元気はつらつ二人の息子のお母さん

あなたを思う時

胸に温かな灯がともる

 

どうか 楽しかったことだけを覚えていて

どうか 愛されたことだけを覚えていて

あなたがいつか 私を忘れてしまっても

私はあなたを忘れない

 

忘れません

 

 

 写真は、何年前だったか。義母の家で一緒に過ごしたクリスマスの夜です。幸せだった。

 

 

 

やがて行く 花道先に行く人に

通す手櫛に 残るぬくもり

 

里の兄 心ばかりの冬贈る

 

包み込む 思い出いっぱい 冬に入る

 

 

 今回は、番外編の俳句です。

 

 兄とは年子で、子供の頃は喧嘩ばかりをしていました。良さに気づいたのは、ずいぶんと大人になってからです。農家ではありませんが、今年兄は、新米を贈ってくれました。お返しに私は、リクロおじさんのチーズケーキを贈りました。一度も地元から出ない(旅行はありますが)、そんな人生もあるんだなと、しみじみ思います。

 

 今はもう、クリスマスとお正月を待つばかり。今年もいろいろありました。大変だったことも、楽しかったことも。思い出の枠の中に入ってくれた人達の顔。彼らとの楽しい時間。丸ごと包んで冬の中に入り、暖かい時間を過ごしたいです。