一番好きな映画教えて

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一番、選ぶのは難しいです~。
好きなのたくさんありますし。
 
もちろんタクミくんシリーズは
別枠なんですが(笑)。
 
 
映画といえば、今月、家族で
スターウォーズ新作を観に行く予定です。
子どもが新作を楽しみにしていたので。
 
自分が子どもの頃見てた映画の新作を
自分の子どもが見るって。
なんだか感慨深いです(*^.^*)
 
 
 
 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
10時を過ぎた映画館は、
思っていた以上に人が少なかった。
 
平日の夜ということもあるだろうが、
自分を含めて数人の客しかいない。
 
カップルが1組。
1人で来ている男性客が2人。
いや、自分を含めて3人か。
 
大輔は周囲を見回して、
少し笑った。
 
誘おうか、どうしようか。
散々迷って、結局、
誘えなかった。
 
夜遅くなると誰かさんは
眠たくなってしまう。
それに、観たかった映画が、
彼好みではなかった。
 
誘う方が、悪い気がして。
だから、今日は会えないと
伝えるだけにとどめた。
 
それで一人で来たのに、
妙に落ち着かない気分だった。
 
 
理由は分かっている。
 
1人で出かけなければ、
一緒にいられたからだ、京介と。
 
2人で過ごせる時間を削ってまで
映画に来たことを少し後悔し始めていた。
 
 
やらなければいけないことを
優先するのは仕方ないと思えるけれど。
 
やりたいと思うことを、
彼と会うことより優先させるのは。
 
ひどく、心苦しい。
 
そして、なんだか、
寂しい。
 
 
何もない自分の手を見る。
 
もし、彼が一緒なら。
食べきれないほどの
甘い味のポップコーンを買うに違いない。
 
『大ちゃんも食べて。』
 
きっとそう言って、大輔にも勧めるから、
夜なのにつられて食べてしまう。
 
そして彼は、甘い匂いを漂わせながら、
次第に重い瞼が閉じてしまうのだ。
頭を大輔の肩に預けて。
 
甘い匂いと
彼が眠った重さを感じながら。
スクリーンの世界を楽しめたのに。
 
 
小さな後悔は、胸に残ったまま。
映画はまだ始まらない。
 
『まお、もう寝たか?』
 
悩んだ挙句、
メッセージを送ってみる。
 
『今日は悪かったな』
 
反応はない。
 
『前から見たかった映画、
1人で観に来たんだ』
 
そこまで送って、
さすがに申し訳なく感じた。
 
『でも』
 
反応がないからか。
つい、いつもなら
送らないような言葉を
書いてしまう。
 
『やっぱり、誰かさんがいないと、俺は』
 
その時、後方のドアから
誰かが入ってきた気配を感じた。
 
立ち止まっているのか、
席に着く様子がない。
もうすぐ映画が始まるのに。
 
と、急に歩き出した気配がしたと思ったら。
その人物は、大輔と同じ席の列に入ってきて、
よりによって隣に座った。
 
手には、甘い匂いのするポップコーン。
 
思わず顔を見ると。
 
「誰かさんがいないと、何?」
 
そう言って、優しく笑う彼の顔があった。
 
「え・・と。その前に、
なんでここにいるんだ、まお?」
 
大輔はまず気になっていたことを聞いた。
京介はポップコーンをこぼさないように
静かに座りながら、
 
「だって大ちゃん、雄大に
映画に1人で行くかもって言ったでしょ?」
「あ・・ああ、言ったかな・・。」
 
今日は仕事で一緒になったので、
そんな話をした。
 
「雄大から、ケンカしたのかって、
大ちゃんが行く映画館の場所から
見る予定の映画のタイトルまで事細かに。」
「・・連絡があったのか。」
 
京介がうなずいた。
 
そう言えば色々聞かれて。
別に隠すことでもないので話していた。
 
「何でも筒抜けだな。」
 
苦笑して京介を見ると、
口を尖らせた。
 
「てか、ひどいよ。」
「え?」
「映画なのに、誘わないって。」
 
そうでした。
でも。
 
「いや、この映画、好みじゃないかなって。」
「大ちゃんが観たいなら全然付き合うのに。」
 
拗ねた顔が可愛くて、
 
「だって、まお寝るだろ。」
「寝ないよ。」
「絶対寝る。」
 
からかってしまう。
 
「寝ない。」
「寝るな。」
「もうー。」
 
京介は怒ったように言うと、
ポップコーンを手に取って
大輔の口に付ける。
 
「半分は大ちゃんの分だから。
絶対食べること。」
「はい、分かりました。」
 
そう言った時、館内が少し暗くなった。
 
「で、何?」
「え?」
「『誰かさんがいないと』の続き。」
 
スクリーンの光が、京介の顔を照らす。
大きな瞳に光が映りこんで。
やっぱりきれいだ。
 
「楽しい。」
「はあ?何それ?」
 
怒って顔を近づけた彼に、
そっとキスをして。
 
「嘘。」
 
柔らかい頬に触れて。
 
「寂しい、だよ。」
 
もう一度、キスを。
 
そっと離れると、
京介は少し恥ずかしそうに、
席に沈み込んでポップコーンを食べ始めた。
 
スクリーンでは、
やっと映画が始まった。
静かなオープニングと、
穏やかな画面。
 
隣に視線を移すと、少しずつ
瞼が重くなっている様子が見えた。
 
「・・・やっぱりな。」
 
さっきの空想は、
そのうち実現する。
 
肩には、心地よい重さが
かかってくる。
甘い香りと一緒に。
 
 
大輔は、その時を
期待して待ちながら、
スクリーンを眺め続けた。
 
 
そして、会いに来てくれた恋人に、
これ以上ないくらいの愛情を感じながら。
 
 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
深夜の映画館、
イチャイチャできますかね?