ゆう@子育てパパ

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バーンッ。電子レンジでコーヒーを温めて、カップを取り出したら突然、破裂音がしてコーヒーが天井まで跳ね上がり、顔にやけどを負った-。国民生活センターなどにはこれまでに、こうした「突沸」による事故事例などが70件寄せられている。厳しい寒さが続くこの時期には、飲み物などを温める機会が増えるが、同センターは、「加熱しすぎないようにし、温めすぎてしまった場合は、1~2分冷ましてから容器を取り出して」と注意を呼び掛けている。(稲場咲姫)
■1カ月以上のけが
突沸とは、液体が沸点に達しているにもかかわらず、ブクブクと泡が立つ「沸騰状態」にはならずに、「過熱状態」となる。そこに、何らかの刺激が加わった瞬間、爆発するように突然、中身が飛び出る現象のことをいう。
同センターによると、器の内側の凹凸や液体内の微細な固形物など気泡発生の核となるものがないと、沸点を超えても沸騰しない過熱状態になるという。また、みそ汁などとろみのある食品は、対流が起きにくく、鍋の中に温度差が生じ、温度の低い部分が沸騰をおさえてしまうという。この過熱状態に振動や調味料などが加わると、刺激となり突沸が発生する。
国民生活センターと全国の消費生活センターには、平成21年4月から26年9月末までに「危害・危険情報」が68件寄せられ、うち35件が熱傷などを負った危害情報だった。また、消費者事故の情報収集のため消費者庁と国民生活センターが共同事業として行っている「医療機関ネットワーク」にも22年12月から26年9月末までに2件の危害情報が寄せられた。
危害情報のうち、1カ月以上のけがは8件で、3週間から1カ月のけがが4件あった。医療機関ネットワークに寄せられた2件はいずれも軽傷だった。
また熱傷を負った部位は「顔面」が20件(55%)と半分以上を占め、次いで「手」が6件(16%)、「腕・肩」が5件(13%)だった。頭部2件、眼、首、腹部、胸部・背部もそれぞれ1件あった。
■冷ます・かき混ぜる
昨年11月、電子レンジで豆乳を加熱した大分県の20代女性が、突沸で顔面をやけどした。
同センターで、9~10月に行った再現実験によると、出力1千ワットの電子レンジで、マグカップに入れた常温の豆乳280ミリリットルを加熱したところ、2分半~3分程度で突沸することがあった。耐熱グラスに入れたコーヒー150ミリリットルも同様に加熱したところ、1分半~2分で突沸するケースもあった。
また、電子レンジ以外にも、沖縄県の60代女性が昨年12月、ガスコンロで鍋のみそ汁を温め直したところ、突然、ポンと破裂音がして鍋が飛ばされたり、24年8月には、大阪府の30代女性がIHクッキングヒーターで鍋の湯を沸騰しない程度に加熱していたら突然、湯柱が上がったなどの事例もあった。
具なしのみそ汁(水約2400ミリリットル、だし入り豆みそ約240グラム)を作り、ガスコンロでの再現実験を試みたところ、強火で温め直した際、数秒~20秒程度で鍋に入っていたみそ汁が大きな音とともに突沸。鍋が飛び跳ねて五徳から落ち、汁が飛び散ることがあった。鍋の種類を変えて実施した際も、程度の差はあるものの、突沸が起こった。
IHクッキングヒーターでも、同様にみそ汁を温め直したところ、数秒で突沸が起こった。
一方で、加熱後に電子レンジ内で1分間冷ましたり、みそ汁をかき混ぜながら温め直した場合は突沸が起きないことが確認された。
同センターでは、電子レンジで飲み物を温めすぎないようにする▽温めすぎてしまった場合には扉を開けないで1、2分冷ます▽ガスコンロなどで温め直すときには火力を弱めにし、かき混ぜながら温める-などの注意点をアドバイスしている。
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