ゆう@子育てパパ

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自転車レース「立山アルペンヒルクライム2014」は22日、立山・黒部アルペンルートの「美女平 天空ロード」で開かれ、県内外の190人が大自然に抱かれたコースを駆け上がった。
マイカー乗り入れを禁止している同ルートで、昨年に続き開催。標高差1473メートルを上る上級者向けのロングコース(美女平-室堂、22・3キロ)には172人が参加した。
あいにくの雨の中、選手は弥陀ケ原を抜け、雪壁の残る室堂に向かうコースを力走。男子の部は兵庫県尼崎市の会社員、田中康介さん(23)が1時間18分36秒で優勝した。新設の女子の部は、立山町前沢の会社員、吉田貢代(みつよ)さん(50)が1時間41分30秒で制した。
順位をつけないネイチャーライドコース(弥陀ケ原-室堂、7・6キロ)では、18人が景観を楽しみながら走った。
県や立山町、県自転車競技連盟、富山テレビ放送、北日本新聞社などでつくる組織委員会・実行委員会主催。
■雨に負けず全員完走
22日に立山・黒部アルペンルートで開かれた自転車レース「立山アルペンヒルクライム2014」。雨中の大会となったが、そびえる山々に見守られた選手は全員が完走した。「ぜいたくな体験」「眺めに元気もらった」。美しい景色の中で力を出し尽くし、満足げな声が聞こえた。
ロングコースの出発地・美女平(977メートル)では、まだ薄暗い午前5時半に172人が順次スタート。ユニホームを濡らしながらも、タテヤマスギに囲まれた道で懸命にペダルをこいだ。
上るにつれて木が少なくなり、雨も次第に弱まって視界が広がった。ラムサール条約湿地に登録された弥陀ケ原(1930メートル)では、小さな池が密集した「餓鬼(がき)の田」が現れた。高坂剛さん(40)=富山市北代、会社員=は「序盤は苦しかったが、弥陀ケ原の眺めに元気をもらった」と力を振り絞った。大日連山が間近に迫り、雄山や剱岳も時々姿を見せた。
ゴール直前の参加者を迎えたのは、今も高い雪壁が残る「雪の大谷」。米国出身のスコット・ジョーダンさん(33)=神奈川県、会社員=は「こんなに高い地点を走ったのは初めて。6月なのに雪があるのは信じられない」と驚いた様子。室堂(2450メートル)ではボランティアスタッフらが拍手で出迎え、地元の米粉を使ったうどんが選手の体を暖めた。
初心者向けのネイチャーライドコースには18人が参加し、弥陀ケ原から室堂まで各自のペースで走った。大江利男さん(49)=立山町岩峅野、会社役員=は「ぜいたくな体験ができ、自転車にのめり込みそう」と笑顔を見せた。
ツール・ド・フランス出場で知られるゲスト走者の今中大介さん(50)=山梨県=は「山岳地帯も走る欧米のレースに通じるものを感じた。1500メートル近い標高差は走りがいがあった」とロングコースを評価していた。
北日本新聞社