ゆう@子育てパパ

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総務省の家計調査で、53年間トップだった富山市の世帯当たりの昆布の購入金額が、2013年は2位になった。代わりに1位になったのは和食文化が深く根づく京都市。関係者は、北海道の昆布が全体的に高値になる一方、富山市民が好む昆布締め向きの羅臼昆布の価格に大きな変動がなかったためという。両市民の昆布の好みの違いが逆転につながったようだ。 (文化部・河波まり)
昆布の購入金額で富山市は、前年比347円減の2045円だったのに対し、京都市は同529円増の2210円となった。全国平均はほぼ横ばいの1034円。富山市は1960年の統計開始以来ずっと1位だった。江戸時代に北前船で持ち込まれ、昆布締めやおしゃぶり昆布用に使うなど食文化として定着していることが要因となっている。
一方で、和食文化の本場ともいえる京都も購入金額で11年から2年連続で2位になるなど毎年上位に付けていた。
初の首位逆転を京都昆布同業会の上田高史会長(京都市)は「国産の9割を占める産地、北海道で深刻な不漁となった。京都市で好まれる利尻昆布が著しく値上がりしたことが大きい」と説明する。
北海道水産物検査協会によると、2013年度の昆布生産量は、夏場の海水温の上昇などで前年度比2割減の1万4931トンとなり、統計が残る62年以来、過去最低を記録した。価格にも影響し、だし用として京都で人気の高い利尻昆布が急騰。一般家庭向けでは、価格が7割近く上がった品もあるという。
一方、昆布締め向きとされ、富山県内で消費量の多い羅臼昆布は、前年の在庫が多く残っており、価格に大きな変動がなかった。購入量でみると京都市は410グラムで、561グラムの富山市を下回っており、両市の昆布の好みの違いが、購入金額の逆転につながったとみられる。
上田会長は昨年、和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された点にも注目。「京都でだし文化を大切にする動きが盛んになったことも関係しているのではないか」とみる。
ただ、富山市の昆布購入量は年々減っており、13年は、この10年で最も多かった06年の約半分となっている。北陸昆布協会の室谷晃司会長(高岡市)は「若い世代で昆布を食べる習慣が薄れている。協会も昆布の魅力アピールに力を注ぎたい」と話している。
◆家計調査◆
総務省統計局が家計収支の実態を把握するために行っている調査。全国の都道府県庁所在地に住む約9千世帯を対象に、1世帯(2人以上)ごとの収入や支出、貯蓄などを毎年まとめている。富山県では、対象となる富山市内の調査数が少ないため、毎年3年間の結果を平均して発表している。昆布の購入金額を2011年~13年の平均でみると、富山市は京都市を307円上回る2205円となり、1位となる。
北日本新聞社