ゆう@子育てパパ

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将棋の渡辺明棋王(29)に三浦弘行九段(40)が挑戦していた第39期棋王戦5番勝負第3局(北日本新聞社、日本将棋連盟主催)は16日、黒部市の宇奈月国際会館セレネで指され、渡辺棋王が午後6時4分、85手で勝ち、3連勝で初防衛に成功した。北日本新聞創刊130周年・宇奈月温泉開湯90周年記念事業。
県内で棋王戦のタイトル戦が行われたのは5年ぶり。午前9時に加藤一二三・九段、堀内黒部市長、板倉北日本新聞社長、河田稔宇奈月温泉開湯90周年事業実行委員会副委員長、日本将棋連盟県支部連合会の村上義和会長が立ち会い、渡辺棋王の先手で対局が始まった。
2連敗で後のない三浦九段が序盤から積極的に仕掛け、渡辺棋王が受ける激しい将棋が展開された。終盤、それまで自分のペースを保ちながら、攻めをかわしていた渡辺棋王が思い切った手を繰り出した。三浦九段も最後まで粘りを見せたが、及ばなかった。持ち時間各4時間のうち、残りは渡辺棋王39分、三浦九段が1分だった。
渡辺棋王は東京都出身。2000年、15歳でプロ棋士となり、竜王9連覇など揺るぎない実績を誇っている。
会場では、加藤九段と村田顕弘五段(魚津市出身)、室田伊緒(いお)女流初段(砺波市出身)による指導対局もあり、将棋ファンがプロの手筋を学んだ。大盤解説会も行われ、来場者は白熱した戦いを見守った。
黒部市、宇奈月温泉開湯90周年事業実行委員会、北日本放送共催。
■「大変な将棋だった」 渡辺棋王、無傷の3連勝
中学生でプロ入りしたエリート棋士が、無傷の3連勝で棋王のタイトルを守った。16日に黒部市の宇奈月国際会館セレネで指された第39期棋王戦5番勝負第3局は、渡辺明棋王が自由な指し回しで実力を存分に見せつけた。
午後6時4分。挑戦者の三浦弘行九段が「負けました」と深々と頭を下げた。勝利を見越し、背筋を伸ばしていた渡辺棋王がすっと一礼した。
序盤から攻めを誘って、カウンターを狙う作戦。終盤に差し掛かると、3三歩、1六角、2二飛成という直線的な寄せで攻め込み、形勢を有利にした。危ない場面もしっかりと読み切り、最終盤では7九金の鋭い一手を放ち、勝利を確信した。「ずっと怖い変化があり、大変な将棋だった」と淡々と語る。
昨年の竜王戦7番勝負は10連覇が懸かっていた。森内俊之名人を挑戦者に迎えたが、1勝4敗で敗れ、同年11月にタイトルを失った。
だが、ことし2月に始まった棋王戦の5番勝負では見事に復調した。横歩取りの大熱戦となった初戦を制して波に乗り、続く第2局では中盤以降に優位を築いて快勝した。「1局目を拾えたことは大きかった」と振り返った。
竜王戦で4敗目を喫し、タイトルを失ったのは宇奈月だった。前夜祭の会場の壇上で印象を尋ねられると「いい思い出がない」と苦笑いしていた。でも今は違う。「借りを返せたという感じ。温泉に漬かってゆっくりと喜びをかみしめたい」と頬を緩ませた。
26、27日には、王将戦7番勝負の最終局で、初防衛を懸け、羽生善治3冠と対戦する。
■ 力不足だった 三浦九段
「シリーズを通し、力不足を感じた」。三浦弘行九段は、悔しそうな様子で話した。
負ければ敗退という厳しい状況。序盤から横歩取りを仕掛けた。昼食休憩後はさらに攻勢を強めたが、渡辺棋王の反撃に遭い、守勢を余儀なくされた。「大局観が甘かったかもしれない」と振り返る。
それでも終盤は粘りを見せ、対局を見守ったファンを楽しませた。
北日本新聞社