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ゆう@子育てパパ


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 【ロンドン=内藤泰朗】東日本大震災から2年半以上がたち、被災地で生まれた新商品が海を渡り、ロンドンでも紹介され始めた。新商品の開発に携わるのはいずれも若者たちだ。被災地の復興には、新産業の育成が欠かせないとの思いからスタートした彼らは、世界で通じるブランドに育てたいとの壮大な夢を描く。そんな希望が詰まった商品に、在英邦人社会もエールを送っている。



 「津波をかぶっても枯れなかった気仙椿の油からつくったハンドクリームは世界にただ一つの商品」



 ロンドン中心部の観光名所トラファルガー広場で5日開かれた日本文化の紹介イベント「ジャパン祭り」に出展した「気仙椿ドリームプロジェクト」のリーダー、佐藤武志さん(38)はこう語った。



 震災で壊滅的な被害に遭った岩手県陸前高田市にボランティアとして入り、活動する中で出合ったのが気仙椿だった。精油施設がなかったり、製油所を見つけても拒否されたりと、苦難に見舞われたが、障がい者施設や有力な化粧品会社、女医さんたちの協力で昨年11月に3000個のハンドクリームが完成。1カ月で完売し、増産やリップクリーム製造も実現した。



 資金集めなどで事業を支えるコンサルタントの渡邉さやかさん(32)は、「東北の雪景色に咲く椿の真っ赤な花は美しく、生命力を感じます。その椿で世界の人ともつながり、被災地の復興に資するような事業にしていきたい」と夢を語った。



 在英の企業家らは「これなら売れる」「英国の有力化粧品会社と提携を」などの意見や要望が出た。



 会場ではこのほか、津波をかぶった着物などを利用して宮城県東松島市の仮設住宅に暮らす年配女性たちが手作りした「ナデシコ」というブランド名のアクセサリーが、ロンドンっ子たちの人気を呼んでいた。



 アクセサリーは、イタリアの女性誌エルやコスモポリタンなどで紹介された。そのデザインなどの仕掛けづくりをしたのはロンドン在住の日本人デザイナー、牟田園涼子さん(33)=横浜市出身=だった。



 「震災以来、募金ではなく、長く続く仕事をつくることで被災地に貢献したかった」という牟田園さん。「被災地には素晴らし人やものがあり、それが外国のプロとつながることで外国人にも受け入れられる商品ができる。これからはファッションに関心がある被災地の若い女性たちとつながることで、日本のカワイイものを世界に発信していきたい」と話している。