ゆう@子育てパパ

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金具のぽっちをパチンと弾くと大きな口がパックリ…。使いやすさと見た目のかわいさから、レトロな国産がま口が人気だ。東京では専門店が続々オープンし、サイフ、ポーチ、ポシェット、バッグとアイテムも多様化。洋服にも和服にも合うファッションアイテムとして注目されるなか、廃れていた鉄道業務用がま口「車掌かばん」も復活していた。(重松明子)
東京スカイツリータウン・ソラマチ(東京都墨田区)のがま口専門店「ぽっちり」を訪ねると、5坪の店に大小500種のがま口が色とりどり。価格は1050~8000円台。今の一番人気は、ジャガード織りでポップな富士山を象った品だ。 「生地から企画しています。世界遺産効果ですね。コテコテの和柄も素晴らしいが、日常使いできるオシャレ感が大切。手作業で丁寧に作られた日本のがま口は、年配者には懐かしく、若者には新鮮な和の世界の入り口になっている」と展開するスーベニール(京都市)の永野真介マネジャー(35)。
平成18年に東京に進出した和雑貨店でがま口の売れ行きが好調なことから、昨年5月開業のソラマチに専門店をオープン。「made in japan」の品質を強調し、急増しているタイやマレーシアからの観光客にも人気を広げている。
東京で最近目立っているのが、がま口の主産地、京都の生産者の進出だ。京都秀和がま口製作所のブランド「あやの小路」は平成17年、京都市内に直営店を出店。丈夫な帆布製をメーンに大胆なドット柄など実用とオシャレを追求したがま口が、東京からの旅行客をはじめファッション感度の高い女性の間で評判になり、昨年4月に渋谷ヒカリエ、10月には原宿と都内に相次ぎ出店した。今年9月にはソラマチの東武百貨店内にコーナーが設けられる。また同社では、がま口を閉じるパチンという音にちなみ8月8日を「がま口の日」として日本記念日協会に申請し、このほど登録認定された。
一方、東京のがま口専門店の先駆けは、一昨年4月に台東区浅草に開店した「Licca(りっか)」。雷門近くの4坪の小さな店に、892円の小銭入れから1万9800円の牛革バッグまで、古典柄、蛍光色、ナチュラル風など約200種が百花繚乱(りようらん)だ。地元の東京下町製など日本各地10社のがま口をセレクト。展開する和雑貨卸「YOU-BI」の井貫裕文社長(42)は、「がま口の静かなブームは、特に仕掛けられたものではない」という。「使い勝手が良く、今風のかわいらしい柄にマッチする形など、もともと優れたものだからこそ現代生活の中で見直された。ちょっとしたギフト需要も高く、手ぬぐいの人気と似ています」。
そんな潮流の傍らで、自動改札の普及で消えていた業務用のがま口「車掌かばん」も復活。
兵庫県尼崎市「菅原屋」では、途絶えていた車掌かばんの製造を平成14年に再開し、関東のローカル電鉄などに卸すなかで一般需要が拡大した。「ホームページで通販もしてますが、現物を見たいと、東京から来られるオシャレな方もいる。普段のバッグとして使われてます」と菅原優社長(54)。牛革製の3種類(1万4700~1万9650円)を販売中だ。
欧州で生まれ、明治以降に日本で独自の発展をとげたというがま口。かわいい姿に、日本人の和魂洋才が体現されている。
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