夏の参院選は結果どうなるんでしょうか。。 (~_~;)
ゆう@子育てパパ


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 初夏の風物詩として定着しつつある5回目の「AKB48選抜総選挙」が今年も



8日に横浜・日産スタジアムで行われた。選抜総選挙は、本物の選挙を扱う政治部記者としても大いに参考になる、と勝手に思っている。



 AKB48の新曲を歌うメンバーを選ぶ選抜総選挙は1人1票ではないし、そもそも有権者はCD購入者らお金を払った人に限定されている。「候補者」の明確な公約があるわけでもない。アイドルの単なる人気投票と言えばそれまで。そもそも両者を比較するのは不見識だという意見もある。(酒井充)



 だが、有権者(ファン)の心をつかみ、支持を得るために日々活動している面では共通している。AKBに興味を持つ政治家は結構多い。同じ「臭い」を感じるからではないか。総選挙結果を振り返りつつ、前回(4月29日アップ)に続いてAKBと選挙の関係を考察してみる。



 まず「マンネリの打破」をキーワードに比較してみよう。今回の選抜総選挙は、福岡・博多を拠点に活動する姉妹グループ・HKT48の指原莉乃さんが初めて1位となった。東京・秋葉原を拠点とするAKB48本体以外のメンバーがトップに立ったのも初めてなら、過去に1位を獲得した前田敦子さん(昨年卒業)、大島優子さんと違い、バラエティーのイメージが大きいメンバーの1位も初めて。マンネリ化が危惧されているAKBに変化を求めたファンが多かったからではないか。



 これは、平成21年の衆院選で漂った「長期政権の自民党は腐敗している。一度民主党にやらせてみようではないか」という世の中の空気と似てなくもない。政治であれアイドルであれ、有権者(ファン)の支持を持続させるのは難しい世の中になっている。民主党政権は見るも無残な結果となったが、果たした指原さんはどこまでAKBの顔になれるか。



 「どぶ板」選挙も共通している。AKBのメンバーにとって日常の公演やテレビ出演、雑誌やブログなどでのアピールはもちろん大切だが、定期的に開催している握手会もファンの心をつかむ重要な場だ。



 今回16位で初めて選抜入りした名古屋・栄を拠点とするSKE48の須田亜香里さんは、笑顔を絶やさない握手会でのファン対応がすごい。ファンを釣るという意味で「釣り師」とも呼ばれるほどだ。本人は選抜入り後のスピーチで、握手会だけが自分の実績ではない趣旨の発言をしていたが、握手会での人気が順位を押し上げたことは間違いない。



 大阪・難波を拠点とするNMB48の中心メンバー、渡辺美優紀さんも握手の最後に相手の手を強く握りしめる「ワザ」が評判を呼んでいる。今回15位で初の選抜入りを果たした。



 自民党の石破茂幹事長は選挙の要諦について口癖のように「握った手の数しか票は出ない」と語る。田中角栄元首相から直接教わった話だという。このエピソードを持ち出して当選1回の衆院議員ら若手に厳しく「どぶ板」を指導し、煙たがられてもいるが、よほどAKBメンバーの方が石破氏の教えを実践しているではないか。



 今回の選抜総選挙は「復活」も目立った。「センター」の座を射止めた指原さんは4位だった昨年の選抜総選挙直後、過去の“恋愛スキャンダル”(メンバーは恋愛禁止とされている)の発覚を受け、HKTに移籍した。一般的には左遷と受け止められたが、逆境でかえって人気を伸ばした。



 今年1月、スキャンダルが明らかになり、“丸刈り”が話題になった峯岸みなみさん。正規メンバーから研究生に降格し、前回の14位から18位に順位を下げたとはいえ、丸刈りバッシングの割には健闘といえる。昨年1月にスキャンダルが発覚して活動を辞退した元AKB1期生の平嶋夏海さんは今回、元メンバーも立候補できる新制度導入を受けて出馬し、62位に食い込んだ。



 彼女たちの奮起について、ある自民党議員は「まさに再チャレンジが実を結んだ」と感想を述べた。第1次内閣での挫折を乗り越えて再び宰相となった安倍晋三首相を二重写しにしたわけだ。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長も、指原さんの1位について「人生いいことも悪いこともある。それでもあきらめずにがんばってトップに選ばれることは素晴らしいことだ」と絶賛。一時の勢いが失速気味の維新の状況を踏まえ、自らに言い聞かせているようにもみえる。



 先日、あるテレビ局のアンケートでは「夏の参院選と選抜総選挙のどちらに関心があるか」を尋ねたら、約3分の2が選抜総選挙と答えていた。少なくとも世の中の関心という意味では、パロディーのつもりだった選抜総選挙が本物を凌駕している。



 選抜総選挙は別の側面からも注目を集めている。選抜総選挙では投票受け付け開始翌日の5月22日、速報結果を公表した(選抜総選挙の投票期間は5月21日~6月7日)。過去の選抜総選挙での速報段階の票数と最終結果の増減率を分析した上で、今回の速報値から最終的に指原さんが1位と予想、的中させた大学教授も現れた。統計学としても興味のわく題材だったのだろう。



 これは最近流行のビッグデータの活用にも通じる。ビッグデータとは、フェイスブックやツイッターなどのSNSを含めインターネット上の膨大な情報を収集、分析することでビジネスなどに生かすというもの。このビッグデータが今、夏の参院選を控えた永田町でも注目を集めている。



 ビッグデータで世論の動向を読み取り、情勢分析や候補者の的確な演説の材料としたり、特定の言葉を設定した上で検索すれば、誹謗中傷を発見することにもつながる。インターネットを使った選挙運動が参院選から解禁されるのを受け、選挙期間中も活用しようと主要政党はネット監視チームを設置して目を光らせる態勢をとろうとしている。



 実はビッグデータ関連本がまだそれほど書店に平積みにされていなかった昨年6月、ある会社がビッグデータを利用して第4回AKB48選抜総選挙の順位予測を実施し、ちょっとした話題になっていた。



 デジタルマーケティングのコンサルタント会社「ルグラン」は投票期間中のメンバーのツイッターやブログ、掲示板での出現頻度を数え、テレビやCM出演頻度を調査。さらにAKB公式サイトへの各メンバーへのアクセス数などに加え、卒業発表で不参加だった前回1位の前田さんの票が誰に流れるかまで、さまざまな係数モデルを適用して分析した。



 開票の2日前に出した予測は「大島優子さんが13万2351票で1位。2位の篠田麻里子さんとは4万4146票差」。結果も大島さんが1位だった。2位は外れたが、上位16人枠のうち15人を的中させた。大島さんの実際の得票は10万8837票で、2位だった渡辺麻友さんとは3万6263票差だった。得票数に差はあったが、大島さんのぶっちぎり1位を当てた。



 AKBを題材にした手法を本物の選挙が後追いしているわけだが、ちなみに今回、記者がメンバーの日々の活動を基に、できるだけ他者の予想などの“雑音”を振り切って順位を予想してみた。



 1位大島さん、2位渡辺さん、3位指原さん…となるはずが、全部外れた。ただ、上位16人枠のうち15人を、順位が発表された64人中では55人について「当選」を当てた。順位まで完全に的中させたのは5位の篠田さん、7位のSKE・松井玲奈さんら7人。ビッグデータを使わずとも感性で結構当てた方だと自負しているが、政局の読みもこれだけ当たればいいのに…。