どんな映画になるのか楽しみです。   (*^_^*)   ゆう@子育てパパ



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 立山連峰の山小屋を舞台にした木村大作監督の映画「春を背負って」の県内ロケが本格化している。主演の松山ケンイチやヒロイン役の蒼井優ら出演者が連日撮影に臨んでいる。前作「劔岳 点の記」に続き、美しくも厳しい大自然を相手にロケを進める木村監督は「過酷な状況に耐え、いい映画を作りたい」と意気込んでいる。(文化部次長・室井秀峰)



 映画は、父親の死をきっかけに山小屋を継いだ長嶺亨(松山)が、人生の居場所を求めて山小屋に集まった人たちとの交流を通し、力強く生きる姿を描く。原作は作家、笹本稜平さんの同名小説だ。



■標高3015メートルで敢行

 県内での撮影は4月下旬にスタートした。亨の父親・勇夫役の小林薫と、亨の子ども時代を演じる少年が、標高3015メートルの大汝(おおなんじ)山山頂そばにある山小屋「菫(すみれ)小屋」を目指し、尾根を登るシーンや、山小屋の周りの雪を掘り起こす場面などに挑んだ。



 出演者とスタッフは菫小屋として登場する大汝休憩所に寝泊まりした。雪にすっぽりと覆われた休憩所には必要最低限の設備しかなく、食事は自分たちで用意した。撮影後には猛吹雪に見舞われ、2日間足止めを余儀なくされた。



 「劔岳 点の記」の撮影を「苦行」と表現した木村監督。今回は「我慢」がキーワードになるという。きっかけは、初めて一緒に仕事をした小林のひと言だった。「この映画(のテーマ)は、『我慢』ではないか」。夜、休憩所で小林と映画や人生について語り合った時に聞いた言葉が強く印象に残った。



 「厳しい状況に耐えなければ、この映画は撮れない。徒労に思えることも、その先にはきっと何かがある。そこにたどり着くには、我慢するしかないんだ」。楽な道と困難な道があれば必ず困難な方を選ぶ。自身の人生観にも通じる「我慢」という言葉は、人生の重荷を背負い、山に集まった人々の生きざまを描く作品を象徴するように思えたという。



■キャスト勢ぞろい

 今月1、2日には富山市宮尾の県民会館分館内山邸に、松山や蒼井、檀ふみら主要キャストがほぼ勢ぞろいした。エキストラも加わり、亨の母親・菫(檀)が営む民宿「ながみね」で、勇夫の通夜が営まれる場面などを撮った。石井知事が激励に訪れる中、木村監督は大きな声で指示を飛ばし、勇夫の突然の死を悼むシーンを収めた。



 同市粟巣野のKAKI工房では、亨の友人、中川聡史(新井浩文)の父親が経営する「粟巣野家具工房」に見立ててロケを行った。家具職人として父にはかなわないと言う聡史を亨が励ますシーンや、勇夫を亡くした亨と菫を気遣う聡史に、亨が感謝の気持ちを伝える場面などを撮った。



 互いに励まし合い、前に踏み出そうとする若者を演じる松山らについて木村監督は「自然体でいい演技をしてくれている」と語った。



 現在は再び雪の立山で撮影しており、ロケは県内を中心に11月まで行う。木村監督は「序盤は満足できるロケができたが、これからが本番。我慢して我慢して、いい作品を撮りたい」と気を引き締めた。



 映画は来年6月の公開を予定している。製作委員会は東宝、フジテレビ、北日本新聞社などでつくる。





北日本新聞社