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1983年4月15日にオープンした東京ディズニーランド(TDL、千葉県浦安市)が15日、開園30周年を迎え、園内で記念セレモニーが行われた。
運営するオリエンタルランドの加賀見俊夫会長は「ゲストの皆様に沢山のハピネスを感じてもらえるよう進化し続けます」とあいさつ。シンデレラ城前に勢ぞろいしたミッキーマウスなど約300のキャラクターやダンサーが軽快な音楽に合わせてダンスを披露。詰めかけた大勢の入園者と30周年を祝った。
TDLと東京ディズニーシー(TDS)の2012年度の来園者数は計2750万人で過去最高を更新。30周年の13年度はさらなる記録更新が期待される。オリエンタルランドの業績も好調で、本業の収益性を示す売上高営業利益率は15%以上を維持、他のテーマパークを圧倒する。
都心から近い千葉県浦安市に位置するTDLは、高い交通利便性に加え、可処分所得の多い3000万人が商圏という立地に恵まれている。
開園の30年前は、比肩する広大なテーマパークが全国になかったこともあり、バブル景気が集客を後押し。一般の遊園地の集客力が200万人とされた時代に、初年度から入園者数約1000万人を達成した。
しかし、リピーターを獲得できなければ、テーマパークは短命に終わる。そこでTDLは、他のテーマパークにはない非日常の世界観を追求し、今もリピーター率9割以上という驚異的な集客力を誇る。
その原動力は、“夢と魔法の王国”を実現するための運営の徹底ぶりだ。
園内と園外の景色を完全に遮断し、飲食物の持ち込みを禁止した。園内では、日本で定番のおにぎりも販売していないし、清掃員が常に歩き回っているためごみをほとんど見ない。掃除をしながらモップで地面にミッキーなどのキャラクターを描く日本オリジナルのサービスは、米国に「逆輸入」された。
加えて、園内で販売されるグッズは約3割近くが毎年入れ替わり、リピーターを飽きさせない。90年代のバブル崩壊後、閉園するテーマパークが相次ぐ苦境下でも、目新しさを生命線に掲げ、92年の「スプラッシュマウンテン」(投資額約285億円)の投入など毎年のように数百億円規模の投資を継続。事業規模を縮小する他のテーマパークとの差別化につながった。
01年9月には約3300億円を投じてTDSを開業した。11年3月の東日本大震災発生時は、駐車場の一部などが液状化する被害を受け臨時休園に追い込まれたが、ファンは離れず、ライバルのテーマパークも「圧倒的な投資のタイミングが絶妙。入場料金を値上げしても集客できるブランド力の確立はまねできない」と舌を巻く。
今年は30周年記念イベントに加え、格安航空会社(LCC)の運航本数増加が集客増の追い風になる見込みで、オリエンタルランドの快進撃は当面続きそうだ。
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