出来たらいいですね・・・山の日。 (~_~;)   ゆう@子育てパパ


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 全国一斉の「山の日」をつくる動きがある。日本は周囲を海に囲まれた海洋国家だが、山だって負けてはいない。広義に解釈すれば日本の領土の約7割が山だという。祝日にもなっている「海の日」はあるのに、なぜ「山の日」はないのか。山を愛するひとりとして疑問に思っていたことだ。



 昨年10月、東京で「~みんなで山を考えよう~『山の日』ネットワーク東京会議」が開かれた。日本山岳会など山岳5団体でつくる「山の日」制定協議会が主催し、全国レベルで「山の日」を考える初めての場となった。協議会がつくったアピールでは、「日々の生活と文化に結びついた山の恵みに感謝するとともに、美しく豊かな自然を守り、育て、次世代に引き継ぐことを国民のすべてが銘記する日」とうたっている。



 全国一斉の「山の日」はないものの、各地にはさまざまな山に関する記念日がある。山の雑誌「山と渓谷」(山と渓谷社)の平成24年12月号によると、「山の日」を制定しているのは13府県、「森の日」制定は12県などとなっている。制定趣旨に共通しているのは、山の大切さを知ったうえで守り、それを後世に伝えていく、ということだ。



 同誌によれば、日本で初めて「山の日」制定の声があがったのは今から半世紀以上前の昭和36年のことだったという。興味深い一文を引用する。



 《日本人ほど山を崇(たっと)び山に親しんだ国民は、世界に類がない。国を肇(はじ)めた昔から山に縁があり、どの芸術の分野にも山を取扱わなかったものはない。近年殊(こと)のほか登山が盛んになって、登山ブームなどと言われるが、それはただ一時におこった流行ではない。日本人の心の底にはいつも山があったのである。》



 昭和39年7月に新潮社から刊行された深田久弥の『日本百名山』後記の一文である。当時は日本隊によるマナスル登頂などで、山への関心が高まっていた。最近の登山ブームとは質的に違うかもしれないが、深田が言うように、日本人の心にいつも山があるのは不変なのかもしれない。



 協議会が提案する「山の日」は6月の第1日曜。日にちについては検討の余地があるが、国民が山を考えることは大切だ。まず山に足を運んでほしい。残念なことに遭難は増えているが、真摯(しんし)に向き合えば山は裏切らない。心と体で感じた山へのさまざまな思いが、国民の「山の日」に結実する。(大阪編集局総務 小代みのる)