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1950年から1990年までの高度成長期には、40代は働き盛りといわれていました。これは、正確には働かされ盛り、です。50代、60代が威張っていて、その下でこき使われたのです。それでも、この時代40代だった人たちは幸運で、その後は楽な仕事、高額の退職金と年金が待っていました。
2013年の今は、40代は文字どおり働き盛りで、年俸もピークにあります。ただ、そのあとに待っているものは、まったく違います。これから先は、ほとんどの人の稼ぎは減ります。もし収入を増やそうとしたら、過酷な競争が待っています。そして、極めて少数の幸運な人たちだけが、それをつかむのです。
ベースアップ、とか年功序列という言葉は、もはや、俸禄、知行などと同じく、現代の語彙からは消え失せています。一番伸びしろのある20代、そのイナーシャのある30代までは、給与は上がっても自然です。そのあとは、能力は低下するのですから、処遇が自動的に改善されることを期待してはいけません。さらにそのあとにある退職金や年金も、存在が怪しくなっています。少なくとも、信頼は揺らいでいます。
40代は、ほとんどの人にとり、ああ、自分はこんなものかという最終結論のでる世代です。もちろん悲観する必要などさらさらありません。すべての人が、イチローの能力や山中博士の幸運を持っているわけではないのは自明の理です。
大切なことは、すべての人が、神様が自分に命じたのはこのようなことか、と自覚すればよいのです。それを基本に、現実を冷静に見つめて、自分の後半生の人生を楽しく始めることが大切です。その際、家族や親族、友人の理解と協力があればやりやすいので、それを得るように努力しましょう。そして50代、60代がどんなに楽しいかは、もう一度わたしの前回、前々回のコラムを読めばよく分かります!!
決して、大器晩成とか、近いうちに、と言わないことです。ほんとにそれでいいのかな、と悩むことはもうできません。49才ではすべてが遅すぎるのです。
毎度、同じようなことを言いますが、まだ日本にいるので幸運です。日本には、独裁政権も、テロも、暴動も、人種問題も、民族問題も、宗教問題もありません。平和で、豊かな、行き届いた環境のなかで、暮らしていけるのですから、世界のどこの人たちよりも幸運です。21世紀の日本は、20世紀の日本より、はるかに住みよいところです。さあ40代、人生の盛りを大切に生きましょう。【郡山史郎】
(ITmedia エグゼクティブ)