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メラミン素材など機能面だけが重視されがちだった介護食器に、美しさや本物の質感を兼ね備えたおしゃれなタイプが目立ってきている。食事のおいしさを引き立て、暗くなりがちな在宅介護生活も前向きに変わりそうだ。(清水麻子)
◆孤独感も払拭
東京都新宿区の「リビングデザインセンターOZONE」4階の「monova」で、11月30日まで販売中の手作り介護食器「てまる」は、陶器や磁器、漆塗りの美しいデザインだ。
皿やおかゆ碗(わん)、スプーンなど23種で、皿などの縁には折り返しがあり、手が不自由でも最後の一粒(一滴)まできれいにすくえる。また、汁碗には指掛けになるくぼみがあり、片手でも口元まで運べる。漆のスプーンは木ならではの優しい口当たりと軽さが特徴だ。
開発したのは、岩手県内の陶磁器や木工品の伝統職人らの「てまるプロジェクト」((電)019・688・1502)。同プロジェクト代表の大沢和義さん(55)は「一番の特徴は介護食器に見えないところ。家族みんなで使えるので、介護が必要な人が孤独感を感じない」と話す。
1640~7980円。一部商品は「ギャラリーひたむき」(京都市中京区、(電)075・221・8507)でも販売中だ。
◆すくいやすく
美濃焼食器の「深山」(岐阜県瑞浪(みずなみ)市、(電)0572・68・4562)のカレー皿「Hana(ハナ)」(大2625円、小2100円)は、スプーンですくいやすいよう花型のくぼみがある。きれいなお花の皿で食べれば気持ちも前向きに。
「レーベン販売」(横浜市西区、(電)050・5509・8340)の「ののじUDカットスプーン」(大840円、小630円)は、カップ部分が浅く、口への平行移動がしやすい。ナイフのように持ち、食材を小さくカットしながら食べることもできる。右手用、左手用があり、2010年「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞した。
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