
人気ブログランキングへ
領土問題などで、中国や韓国との関係が悪化するなか、その余波が旅行業界にも影響を与えている。旅行会社の約8割で両国向けツアーのキャンセルが発生したことが分かった。東京商工リサーチ(TSR)は、全国の主な旅行会社57社を対象に、中国、韓国を含む海外旅行について2012年9月以降の申し込み状況のアンケート調査を行った。有効回答は44社。
アンケート調査によると、9月以降の海外旅行の申し込みが前年同期より5%以上「減少」した旅行会社は合計23社(構成比52.3%)で、全体の半数に上った。減少要因として、「中国、韓国との国際緊張の影響」が21社(複数回答)と最も多かった。
中国、韓国向けのツアーキャンセルがあった旅行会社は34社(構成比77.3%)で、キャンセル人数は100人未満が最も多かったが、1,000人以上と回答した旅行会社も2社あり、両国へのツアーのキャンセルは深刻さを増している。
2011年の海外渡航者数は、約1,700万人に上り、渡航先の最多は中国の約365万人(構成比21.4%)で、次いで韓国が328万人(同19.2%)と、両国だけで全体の約4割を占めていた。日本の旅行業界にとって、人気渡航先だった中韓両国への渡航はドル箱的な存在であり、両国へのツアーキャンセルは、同業界の業績悪化の引き金にもなっているという。
そんな中、韓国観光局は、中国の国慶節の大型連休期間中に韓国を訪れる中国人観光客は10万人を超え、史上最多になると予想した。韓国で消費される総額も、2000億ウォン(約140億円)を突破すると見込んでいる。
旅行会社によっては、渡航先をハワイやグアムに変更して業績悪化を回避する旅行会社もあるというが、中国・韓国への海外旅行を扱う旅行会社にとっては、当面厳しい状況が続きそうだ。
(加藤 秀行 、 簗瀬 七海)
- 反日デモに商機を見出す、さすがの中国人 売行き好調、愛国ステッカーとは
- 中国の反日抗議と自動車業界への影響を考える -高田 悟-
- 中国・韓国で勃発する反日デモへの不安 国によって異なる国旗冒とくへの処罰
- トルコ7億円、タイ10億円、韓国へは5兆円 野田政権、迅速な海外支援と遅れる国内対策
- 日本ブランドの国際イメージは古くさい? 世界で存在示す韓国ブランドと立場逆転の危機