おとこの家庭化進んでるねぇ~。。(~_~;)



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 家事を楽しみ、料理をこなす“カジメン”が話題を集める中、キッチンや調理器具にこだわりをみせる男性が増加している。クルマや酒に代わる新たな“男の趣味”になりつつあるだけに、住宅機器メーカーやリフォーム会社などが熱い視線を送る。男性来場客が前年比3倍となったショールームもあり、年間3700億円超といわれるキッチン市場を成長させるカギとして期待されている。



 「行きつけのイタリア料理店にある厨房(ちゅうぼう)のようなキッチンがほしかった」



 約6年前に大阪府箕面市の自宅をリフォームした望月栄伸(しげのぶ)さん(35)は思い描いていたキッチンに立ち、笑顔でこう話した。リフォーム費用計600万円のうち、大半をあてたのが総ステンレス製の業務用キッチンなどの台所設備。レンジフードはイタリアから取り寄せたこだわりの品で、特注のカウンターも設け、落ち着いた雰囲気のレストランを思わせる空間を作り上げた。



 リフォームを手がけたウィル(兵庫県芦屋市)の佐藤慎二郎取締役は「望月さんのような男性が増えてきた」と、キッチンに対する男性の関心の高まりを実感する。キッチンに重点を置いたリフォームを検討する男性は、ここ数年で年間1割ずつ高まっているとみられ、現在は全体の3割におよぶ勢いだ。



 梅田阪急ビル(大阪市北区)にショールームを持つクリナップも“男のキッチン”を紹介し、来場客の注目を集めている。ここでは、さまざまな客層を表現した6つのキッチン・ルームを展示。ギャルママや料理研究家をイメージした個性的なデザインが並ぶ中、男のキッチンは来場客の人気投票で約2割を占め、2位を獲得したという。最高水準のキッチンに本格的なオーブン、壁にはレコードジャケットを飾るなど「好きなコレクションに囲まれたコックピットのような空間を表現した」と高橋健人(たけひと)所長は話す。



 同ショールームの男性来場客は全体の約3割で、前年に比べて3倍に急増。1人で来場する男性が増え、夫婦でも男性が積極的に選ぶ姿が目立つ。高額商品を選ぶ比率は男性が圧倒的に高く、約100万円の最高級シリーズのプランを組んだ情報提供数は8~9月実績で前年同月比2倍となった。キッチンがあれば、調理器具にも関心は広がる。一般的にカメラといった道具類に関心を持ちやすい男性の特性は、フライパンや包丁選びにも表れている。



 東急ハンズ心斎橋店(大阪市中央区)は男性人気の高まりを受け、高級包丁やフライパンを集めた売り場を新設。「手入れのしやすさなどで選ぶ女性に比べ男性は金に糸目をつけず、本格的な道具を求める傾向が強い」(担当者)。1カ月に10本ほど売れる1万円超の包丁を購入する大半が30~40代を中心とする男性という。



 「女性にとって料理が日常なら、男性にとってはイベント。キッチンに立つ自身の姿にかっこよさを求めるのが男性だ」。クリナップショールームの高橋所長は男性人気の背景をこう分析する。男性にとってキッチンは自己表現のひとつの場で、道具や食材を思い通りに選び、作品(料理)を評価してもらえることに喜びを感じるというわけだ。



 富士経済によると、平成23年の国内キッチン市場は年間3770億円と、リフォーム需要の高まりで6年ぶりに前年を上回った。金額よりも、機能性やデザインにこだわる男性ユーザーの増加は、さらなる市場拡大の後押しとなりそうだ。(田村慶子)